スクウェア・エニックスノベルス『スタンプ・デッド』1~5巻&コミック版(完結)、
『太陽で台風』1・2巻(完結)発売中!
ガンガンノベルズ『魔法少女アーヤ☆アミー』発売中!
徳間デュアル文庫『魔王さんちの勇者さま』1~4巻(完結)発売中!
徳間文庫『欠陥妖怪住宅』発売中!
ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ『ブチ切れ勇者の世界征服』1~2巻発売中!
徳間文庫『パラレル家族計画』発売中!

2017年4月、第11回HJ文庫大賞にて『銀賞』をいただきました!
2017年5月、ジャンプ小説新人賞’16 Winterにて 小説フリー部門『銀賞』受賞をいただきました!
2017年7月、第30回ファンタジア大賞にて 後期『入選』をいただきました!

2017年9月30日(土)、『カンスト勇者の超魔教導 ~将来有望な魔王と姫を弟子にしてみた~』HJ文庫より発売!
第11回HJ文庫大賞『銀賞』受賞作です!

2017-09

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異世界攻略(クリア)のゲームマスター

どうも、はむばねです。
最近、徐々に生活リズムが正常に戻りつつあります。
いやまぁ、最早どれが正常なのかもよくわかんねーねんですけども。
ほんで、一発寝過ごしたら一瞬で乱れるんですけども。
あと、下手に早朝から活動すると余裕ぶっこき過ぎて逆に進捗出なかったりするんですけども。
あれ、なんかあんまいいことねぇな……?

というのは、ともかくとして。
今日も今日とて感想ですよっと。
直接的な言及は避けているつもりですが、最終盤の話まで触れているので未読の方はご注意を。


異世界攻略(クリア)のゲームマスター (HJ文庫)
坂本一馬
ホビージャパン (2017-04-28)
売り上げランキング: 730,817


あらすじはAmazonより抜粋。
>「世界をあなたが思うままに従えてみたくないですか?」
>
>ゲーム好きの少年・木下浩太が召喚された異世界は、彼がさんざん遊び倒したゲーム「クロノ・ギア戦記」とそっくりな世界だった。
>そこで「イヴ」という少女と出会い、異世界人をゲーム同様に指揮できる能力「絶対命令権」を手に入れた浩太だが、彼の部下になったのは仲間から落ちこぼれ扱いされる少女・シャロンだった。
>自分に自信が持てないシャロンを励ましながら、浩太はゲームの腕と絶対命令権を武器に英雄への道を勝ち進む。
>絶対無敗の天才ゲーマーの活躍を描く異世界戦記、いざゲームスタート!

指揮官特化型チート能力持ち主人公ですか。
これ、なかなかありそうでなかった感じなのでは?
私が知らないだけですかね?
指揮能力”も”優れてるタイプなら結構いる印象ですけども。

ともあれ。
本作の場合、浩太くん(主人公)の特殊能力はガチで指揮系のみです。
あとは、己の身一つのみ(多少の装備はあるけども)。
実質関与出来る範囲が、凄く『ゲームプレイヤー』に近い立ち位置ですね。

とはいえ、ゲームと異なるのはやはり”生の交流”があるからこそで。
ヒロインたちを落とs……もとい、ヒロインたちと心を通わせる展開があり、しっかりと信頼関係を築き。
それがあるからこそ、終盤が非常に熱いものとなっていました。

あと、いわゆるラッキースケベ的なシーンもあるのですけれど。
ここに不快感が無かったのも個人的には好ポイントでした。
正確には、その後のヒロインの反応に、ですかね。
ちゃんと不可抗力であることを認めて、理不尽な展開がなかったのがベリーグッド。
というか実際、浩太くん的にも嬉しさと同レベルでダメージ入ってたしな……。
全体通して、キャラの好感度が下がる場面が一つもなかったのがお見事って感じでした。
一方的に好感度が上がっていくばかりなので、キャラへの愛おしさがガンガン増していきます。

閑話休題。
割と気軽に元の世界に戻れるってのが判明した時は、最初「んっ?」と思ったのですけれど。
意外と(浩太くんにとって)ヌルいんだな、って感じで。
しかしこの時既に浩太くん的には覚悟完了してるわけで、今更引くって選択肢もなく。
同時にヒロインたちが本当に『ゲームの中だけの存在じゃない』というのを示した流れを見て、上手い! と思いましたね。

また、ここで自分と何人かだけは世界を渡って助かる、という道も見えてしまったわけで。
いざという時の覚悟が試されそう……と思ってたら、なるほどそう利用したかって感じ。
これも、非常に上手い構成ですね。

からの。
終盤の、ボスを倒したかと思ったら真のラスボスが現れる展開は、実にゲームっぽくもあり熱いものでした。
本作の場合は、ラスボスっつーか裏ボスに近い感じかもしれませんが。
疲弊した自陣で、どうにか戦ってる感じも凄くそれっぽかったです。
個人的には、最後の最後までちゃんと(”想い”という要素もありつつも)策略で決めてくれたところも好ポイントでした。

ほんで、ラストは無茶苦茶綺麗に終わりましたけどこれ、1巻完結前提なんですかね?
まだやることは残ってるとはいえ、それこそクリア後の未探索マップの攻略みたいになっちゃいそうだしな……。
少なくとも1巻で出た設定からすると、これ以上の敵ってのも思いつかないし……。
うーむ……この世界のみんなのやりとりをもっと見ていたい気持ちもありますが、しかしせっかく訪れた平穏を末永く楽しんでもらいたいという気持ちもある、という複雑な心境ですね。

ともあれ、総じて。
ゲームの世界に入れたら? という妄想を凄く忠実に描いてくれている作品であり。
しかしデジタルでない、”人間”たちが紡ぐ物語だからこその熱さもある作品でございました。
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新宿コネクティブ

どうも、はむばねです。
さて、台風がいよいよ上陸して参りましたね。
進路上の皆様、お気をつけください。
ちなみに福岡に関してはもうとっくに通過した感じですが、少なくとも我が家周辺は特に被害等もなく通常営業です。
というか、「ちょっと強い雨だったかな?」程度でしたね。
まぁ、言うてちょい離れたとこ通っていきましたしね……。

さて、それはともかく。
本日も、感想ですよっと。
今回は、先日感想を書かせていただきました『あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!』の内堀優一先生の別作品です。
発売日的には、こっちの方が先ですね。
同作が非常に面白かったため、遡って買わせていただいた次第。

なお、まぁまぁネタバレがございますので未読の方は一応ご注意を。


新宿コネクティブ1 (HJ文庫)
内堀優一
ホビージャパン (2017-04-28)
売り上げランキング: 118,231


>新宿で最も敵にしちゃいけないのは、平凡な高校生!?
>
>あらすじはAmazonより抜粋。
>新宿に複数存在する、おかしな都市伝説。
>その中のひとつである【依頼遂行率100%の何でも屋】に下宿している男子高校 生・佐蛹慶介<ささなぎけいすけ>は、今日も家主である蔵祭平三郎<くらまつりへいざぶろう>とともに、新宿で起こる数々の事件解決に奔走していた。
>とびきり優秀かつ超個性的な新宿の面々に囲まれながら、平凡を自称する慶介。だが、新宿に住む者は皆、口を揃えて言う。
>――――本当に凄いのは、慶介なのだと。
>人脈<コネ>の力で人も事件も世界も回す、新宿系エンタメミステリー!

おー、まぁそうだろうとは思ってましたが『あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!』とはまた違う雰囲気ですね。
てか、知識量がヤバい。
細かい部分から嘘や真実を見抜いていく描写が多いのですが、そこが凄く専門的です(少なくとも私程度にはそう見えた)。
全部知ってたことってわけでもないとは思うのですけれど、しかし調べるにしたってどうやって調べるんだろう……。
本当に知らないことって、基本調べようもないですからね……。

……と、初っ端からだいぶ脱線してしまいましたが。
探偵モノ、ということになるんですかね?
ただ、謎解き要素はあるんですけども、結構サラッと答えが提示されるので、ライトに読みたい勢からすると非常にありがたかったです。
4つの(繋がりはありつつも)別の事件を描いていることもあってか、一つの事件でそんなにややこしい要素がなかったのも効いてるのかも。

あと、結構沢山キャラが出て来るんですけども。
それが、狭い範囲の中でのみ完結するんじゃなくて、凄く『この街の物語』なんだ、という感じがして良かったです。
にしても、全員キャラ立ちすぎワロタw
なんというか、ほぼ登場した瞬間にどういう人なのかわかるように表現されてるってのが凄いですね。
そして、強烈に記憶に残る。
最近は特に記憶力がアレで一冊の中でさえ「これ誰だっけ……?」って読み返すことが少なくないのですが、本作はそれが皆無でした。
こんなに登場人物多いのに。

ほんで、登場人物の好感度が尽く高いのが素晴らしい。
結構アレな人たちもいるんですけど、なんつーか全体的に暗さがないんですよね。
清子ちゃんとか、完全にやべー奴なのに可愛さしか感じない。
なんだこの明るく爽やかなストーカー。
いや明るく爽やかなストーカーってホントなんだよ。
彼女に関しては、慶介くん(主人公)が(わかってるのかわかってないのか)彼女を普通に受け入れてるところも大きいのでしょうね。

というか、慶介くんの目で語られるからみんないい人に見えるのかな。
それが逆説的に、慶介くんの善人っぷりを表わしているのかも。
あぁ彼にはこんなに世界が優しく見えているのか、って感じ。

そしてそして。
いやー、いいですね。
主人公自身には何の力もないけれど、鬼のような人脈で常人には成せぬことをする。
まぁ正直途中からそういう系統なのだろうなとは思っていましたが、思ったよりだいぶ大規模でワロタw
#というか、読み終わってから見たけどあらすじ段階で書いてあった……。

そして、それを納得させられる慶介くんの人柄ですよね。
一冊通して、「なるほど慶介くんのためなら仕方ないな」みたいな説得力が生まれてる。
誰かのために、打算なく動ける善人で。
ほんでそれだけでなく、なんでしょうね。
人の心にスルッと入っていく感じといいますか。
言い方はアレですが、天然人たらし的な?
特にそれを強調するようなエピソードもなく、むしろ慶介くん結構地味なんですが(というか平三郎さんが派手すぎる)、終盤でしっかりそういう印象が生まれてました。
言ってしまえば『普通に好感度が高い』だけなんですが、これって(特に主人公でやるには)結構難易度高いですよね。
どうしてもこう、話の展開上マイナス面を見せないといけない場面も多いので。
そういう意味で、恐らく既に『何かを乗り越えた』後なのであろうこの時系列で始まっているというのも上手い。

にしてもこれは、少し変わった構成というか、続刊前提の作り方なんですかね……?
結局、主要人物の謎が何も明かされていない。
彼らがどんな経緯で今の立場にいてどんな動機で今みたいに動いててどんな理由でその能力を持ってるのか、完全に謎のままです。
果たしてここは今後語られていく部分なのか、それとももう『そういうもの』として扱われる部分なのか。
その辺りも含めて、続きが楽しみです。

総じて。
世界の平和がかかっているわけでも、主人公が悲劇に見舞われるわけでもない。
ただただ人のために頑張れる主人公が、人の力を借りて大事を成す物語。
軽快に豪快に事件を解決していく様が爽快な、非常にライトノベルらしい作品だと思います。


ちな、2巻は今月末9/30(土)に発売やで!
同日発売の拙著共々、よろしくやで!(露骨な宣伝

新宿コネクティブ 2 (HJ文庫)
内堀優一
ホビージャパン
売り上げランキング: 267,092


女騎士さん、ジャスコ行こうよ2

どうも、はむばねです。
さー、4日連続ですが本日も感想ですよっと。
ちな、感想記事が続く時は大体日常に何もなさすぎて感想くらいしか書くことがないか、ブログ書くのに費やす時間がなくて書き溜めといた感想で誤魔化してるかのどっちかって相場は決まっているのですけれど。
今がどっちの時期なのかは、ご想像にお任せ致します。
あぁ、あとは先輩作家に媚びるためというパターンm(ry

はい、そんなこんなでね。
前回に引き続き、ネタバレはあるけど気にする作品ではないと思います。

女騎士さん、ジャスコ行こうよ2 (MF文庫J)
伊藤 ヒロ
KADOKAWA/メディアファクトリー (2015-01-22)
売り上げランキング: 480,606


あらすじはAmazonより抜粋。
>町全体を巻き込んでのショッピングモール誘致の騒動も収まり、いつもの平穏を取り戻した平家町。
>役場では町おこしに向けて住民にイベントのアイデアを募っていた。
>そんななか、麟一郎の通う学校の校庭に、突如、あのアダムスキー型の円盤が飛来してきた!
>胡散くささ満載の円盤の中から出てきたのは、スペース女騎士と名乗る仮面を付けた宇宙人。
>曰く、この学校のグラウンドに徳川埋蔵金が眠っているだって!?
>と、また珍しくもない日常が始まるわけでして。
>……え、そもそもこの話、続くの?
>関連RT数1万越え!
>話題沸騰の女騎士系田舎日常コメディ、まだまだ続きます!

前巻の感想はこちら


ファーwwwww
水神さんのwwwww全身イラストwwwww
しかもwwwwブルマwwww
サーwwwwビスwwwwカッwwwwトwwwww
表紙開いて即口絵で笑わせてくるのやめーやwwww

と、まさかの本文を一文字たりとも読まないうちにクッソ笑ってしまいました。
つーか今回、イラストまで含めてすげぇ笑わせてきやがるな……。
中盤の、鎧越しの胸ムニュの場面の顔芸も卑怯だわw
霜月えいと先生の画力の高さがまた笑いを誘います。
この本を作り上げた人たちが一丸となって笑わせにきているのを感じるぜ……!

というのは、ともかくとして。
相変わらず、田舎民としての心理描写が滅茶苦茶リアルだな……。
しかし、1ページ目から何の話してんだよwwwって感じですが。
いや、普通に後々の展開に繋がっていくんですけどね。
とはいえ一旦次のページで速攻断絶するので、とりあえずそこを読んでる段階では「何の話だったんだよwww」ってなるんですがw

にしても……クwwwソwww
相変わらず欲望に素直に人間しかいねぇなwwww
なんなんだこの街wwww
しかし、この状況を鑑みると水神さんがマドンナ扱いというのもあながち不思議ではなくなってくるような気すらするぜ……。
実際彼女(?)だけは性格が良い感じがする(何言ってるのかわかんねーけど)。
いや、まぁ彼女(触手)、普通に見た目も評価されてるんですけど……。

今回は、ファウちゃんもやらかしましたしね。
ていうか、ミヤヤマートの危機の原因そんなとこなのかよwww
マジでろくな奴いねぇなwwww
ファウちゃんはまとも……そんな風に考えていた時期が私にもありました……。
……いや、まぁ、ちゃんと自分の責任であることを認識してるし、それを取り戻すために頑張ろうともしてるし、まともではあるか。
この世界、「まとも」の基準低いな!?
#なお、そもそもミヤヤマートの危機自体存在しなかった模様?

にしてもこの作品、清々しいまでにおっさん世代をターゲットにしてますね……。
今の中高生に通じないネタが大半なのでは……?
つーか、私ですら結構世代外れてるネタ多いよ……糸井重里に徳川埋蔵金のイメージもあんまりないし(話には聞いてるけど)。
むしろ、世代が外れてるのか単に知らないだけなのかの判別すらつかないネタもちらほら。
まぁでも、わからないならわからないなりに笑わせてくれるところは流石です。

閑話休題。
やらかし勢の中でも、特に故意犯的にやらかしまくるポー姫ですが。
どう考えてもヒロインの一人としてあるまじきコスさを発揮しまくってるのに、こんだけやらかしても不快感がないのはやっぱ同じくらいに彼女がイジられているからでしょうね。
空知先生でしたっけ? 笑われる機会を平等にすることで不快感がなくなる的なお話をされてたのは。
伊藤ヒロ先生の作品にも、そういった配慮が感じられます。
なんだかんだで、(自業自得分以上に)不幸になる人のいない優しい世界ですし。

にしても、なんというか、もう、全体的にズルいですね。
作風的に、どんな強引な展開だろうとギャグとして許せてしまう。
しかも、普通に伊藤ヒロ先生の構成力が高いんでね。
色々、ちゃんと綺麗に(?)伏線になってるんですよ。
なんかもう、笑っていいやら感心していいやらって感じ。

上げ底の鎧が伏線になってるとか、巻を越えたロングパスもズルいwwww
そして、ジャージとブルマの話最後まで引っ張んのかよwww
ジャージズボンは心の壁、じゃねぇよwwww
ほんで、オチが酷いwww
いやまぁ酷いんだろうなとは思ってたけど、案の定だよwww
そして、そこからの二段オチも酷いwww

とかとかね。
いやー、今回も色々と酷かったですね(褒め言葉)。
果たしてラストの展開は次巻へのフリなのか否か。
この作品のことだから、次巻になって全く触れられなかったとしても不思議ではない。

あとこれ、たぶんツッコミ待ちだと思うんでツッコミ入れようかどうか迷ったんですけども。
やっぱ、一応最後に言っときますね。
最早! ジャスコ! 関係ない!

あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!

どうも、はむばねです。
3日連続となりますが、本日も今月1日発売のHJ文庫新刊の感想です。
うん、まぁ、ぶっちゃけ、媚びてるか媚びてないかで言えば媚びてるよね(開き直り)。

というのは、ともかくとして。
えー、まず注意です。
本作は、間違いなくネタバレ無しで読んだ方が楽しめる作品です。
極力核心に触れないよう注意したつもりではありますが、未読の方は読了後にこの感想を読むことを強くオススメ致します。

……うん、まぁ、ぶっちゃけて言うと私は読む前にネタバレ食らったんですけどね。
そういう意味ではネタバレ食らった上でも十分に楽しめる作品であることは私の経験上保証致しますが、まぁネタバレがないに越したことはない。
まぁ、というか、この「ネタバレ無しの方が楽しめる」というフリそのものが結構ネタバレになってしまってるとは思うのですけどね……。


あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き! (HJ文庫)
内堀優一
ホビージャパン (2017-08-31)
売り上げランキング: 5,085



あらすじはAmazonより抜粋。
>高校入学から数ヶ月。
>大貫悟郎(おおぬきごろう)はその日、長いこと片思いをしていた幼なじみの美少女・杉崎小春(すぎさきこはる)に告白した。
>「小春! 好きだ! 俺と付き合ってはくれないだろうか!!?」
>「いや、無理ですから」
>この一言であえなく玉砕! 
>さらに小春は何を思ったのか悟郎に、「悟郎、あんた彼女作りなさいよ」とムチャぶりまでしてきて!? 
>両思いなのに付き合えない!? 
>一途過ぎる少年と本当は彼のことが大好きな少女の、どうしようもない青春大暴走ラブコメ開幕!

初っ端からワロタw
恋愛事情(しかもフラれた状況とか)を校内放送で公開されるとか普通に考えると悲惨なんですが、なんか明るい笑いになってるところがいいですね。
マジで軽いノリなのと、クラスメイトがちゃんと慰めて(?)くれたのが良かったのでしょうか。

いやー、しかしこの友人ズはいいですね。
ふざけつつも、根っこのところではちゃんと悟郎くん(主人公)のことを考えてくれてる感がある。
悟郎くん自身にちょいちょいアレなところがあるのも相まって、絶妙にアシストしてくれてる感じがします。
この辺り、非常に上手い配置ですね。

つーか、周りのメンツ無茶苦茶濃いなwwww
比較的普通サイドに属すると思われるティッシュくん……もとい久礼人くんですらもかなりはっちゃけてるよwww

いや、この笑いはいいですねー。
単純に笑いのレベルが高ぇわ。
言葉選びとかもそうなんですけども、状況の作り方がバツグン。
第3話での久礼人くんとのやりとりとか、笑わざるをえないw
結構露骨な下ネタぶっ込んでくるのに、下品な感じになってないのもいいですね。

ほんで、総じて登場人物の好感度が高い。
イジり系の笑いは結構気を使わないとイジる側の好感度が下がる可能性があるのですが(これは現実でもそうですね)、そこを非常にうま~く不快感なくやってる印象です。
ここは、悟朗くんが(ツッコミは入れつつも)割とサッパリと受け入れてるとこも大きいでしょうね。
あれだけやられても友人たちへの信頼を微塵も崩さないピュアさよ。

つーかね、悟郎くんの性根がめちゃ真っ直ぐなんですよね。
真っ直ぐ過ぎて時折アレな感じになるくらい真っ直ぐ。
これは、ストレートに好感度高いですね。

んで。
その、悟朗くんの、アレになる所こそが伏線になっていると。
これは上手い、上手すぎる。
というか、伏線の仕込み方がマジで絶妙です。
ネタバレ食らってる私でさえも、終盤で「そうだったのか!」と思わされる伏線がいくつも張り巡らされてました。

なんというか、伏線に強弱があるんですよね。
割と露骨というか、「あーこれはそういうことなのかなー」と思わせる部分で他の伏線を隠している感じ。
日記の件とか、完全に騙されてて終盤で明かされた時は「あっ」って声が出そうになりました(ネタバレに配慮し、一応反転させていただきました)。
うわー、そうだったのかって感じ。

ほんで、最後はね。
なんというか、ゾワッとしました。
※以下、ネタバレに配慮して反転させます。
その選択を取りますか悟郎くん。
数多の主人公が選択するのであろう『美しい結末』を拒絶した彼の姿は、しかしそれもまた美しさを感じさせるものだったと思います。
(少なくとも傍から見た場合の)狂気から解放され、正気に戻った上で、自ら狂ったと見られてもおかしくない状況を選択する。
それはもしかしたら世間一般でいうところの『正解』ではないのかもしれないけれど、確かに彼の『愛』を貫いた姿なのだろうなと思えました。


うわ、てか、これ、続くのか。
マジか、これで続くのか。
つーか、実質これがプロローグですよねたぶん。
うわー、どうなるんだろこれ。
続きか気になりすぎるぜ……。


ともあれ……総じて。
圧倒的な構成の上手さと笑いレベルの高さ。
この二つをここまで違和感なく調和させる力量の凄まじさに感服しました。
素材(企画)だけでも面白そうなのが、超一流の料理人によって調理されていたイメージです。
終わりに向けて進む物語であるとあとがきでも明言されておりますし、二人がどういう結末を迎えるのか、最後まで是非とも見届けたい作品ですね。
次の巻も今回と同じ雰囲気で進めるのは非常に難しいと思うのですが、笑いがどの程度どういう形でも盛り込まれるのかも個人的には気になるところ。

やりなおし英雄の教育日誌

どうも、はむばねです。
思い出したかのように、Twitterのプロフィールとブログのメッセージボードを更新しました(実際、忘れてた)。
しかし、特にTwitterの方はだいぶゴチャっとした感じになってきたな……。
こうした方が見やすいんじゃない? 等ございましたらアドバイスいただけますと幸いです。
あと、9/30(土)HJ文庫様より発売の『カンスト勇者の超魔教導 ~将来有望な魔王と姫を弟子にしてみた~』、改めてよろしくお願い致します(ついでのような宣伝)。

そんなこんなで、本日も感想ですよっと。
昨日に引き続き、今月1日発売のHJ文庫の新刊ですね。
べ、別に先輩方に媚びてるわけやないから……(震え声

なお、今回はネタバレはそんなにないつもりです。


やりなおし英雄の教育日誌 (HJ文庫)
涼暮 皐
ホビージャパン (2017-08-31)
売り上げランキング: 151,890


あらすじはAmazonより抜粋。
>魔界からの侵略を受けている世界。主人公・アキは仲間たちと共に魔族との決戦に挑むが、力及ばず敗北し、世界は滅んでしまった。
>魔女の協力を得て過去へ戻ったアキは、バッドエンドを迎えてしまった未来を変えるため、過去の自分たちの教師となり、より良い方向へと導くことを決意する。
>かつての仲間を救うため、再び世界を救うためのアキの戦いが今始まる!!
>「――かかって来やがれ三流。教師<オレ>に勝てると思うなら!」

熱い。
すげぇ熱い。
めちゃくちゃ正統派、王道の熱さ。

いやー、ぶっちゃけ正直ちょっと舐めていたといいますか。
もっとゆる~い感じのお話だと思ってたんですよね。
設定はハードだけど雰囲気はユルめ、みたいな。
割と、最近の流行りがそっち系な印象もありますし。

いや実際、暗い話では決してないんですよ。
笑いもあるし、話は前向きな感じですし。
ただ、なんていうんですかね。
登場人物の全員が、ガチで命懸けな状況なんですよね。
まぁ放っとくと滅ぼされるのが確定している状況なので、ある意味人類全員の命が懸かってる状況ではあるんですけども。
中でもその命運を背負わされた少年少女たちと、その行先を知っている主人公・アキさんは、文字通りに命を懸けてその状況を変えようとしているんですよね。

とはいえ先述の通り、シリアス一辺倒かというとそんなことは全くなく。
むしろ、笑いとシリアスの配分が絶妙です。
特に、個人的にとても好きだったのはですね。
この手の主人公が振り回される系の物語って同時に不快感が生まれるケースも少なくないのですけれど、本作においてはそれが全くなかったという点です。
確かにアキさんは振り回されるんですけども、まずそれが徹頭徹尾アキさん自身の意思で選んだ道なんですよね。
無理矢理そこに放り込まれたわけでも、想定外の事態だったわけでもない(全てが想定通りかというとそうでもないけども)。
最初から(ある程度は)予想された環境の中に、決意と覚悟を持って飛び込んでるわけです。
ゆえに、読者としてもストレスがない。
まぁ、それはそれとしてアキさんマジでイライラしてそうな場面もありますがw

ほんで、生徒サイドもね。
ふざけてるわけでも、まして悪意があってやってるわけでもない。
彼女たちなりに、懸命にやっているからこそのトラブルなわけで。
それがわかってくると、この状況にも非常に納得感と「まぁならしゃーないな……」感が強く出てくるのです。
いやこらまた、それはそれとしてガチギレしてますよね? って子たちもいるのですけれどw

ギャグに見える場面でもやってる方は結構真剣で、常に覚悟と不安を抱えていて。
それが随所で描かれるがゆえに、物語全体がピリッと締まって見えるのだと思います。
でも、何度も書いている通り、だからといって暗いわけでもない。
このバランス感覚は凄く好きですねー。

暗くならない理由については、基本的に全員が前向きな気持ちでいるってのも大きいでしょうね。
アキさんを筆頭に、誰一人として諦めてなんていない。
内心に気弱を抱えていても、それでも前に進もうとする強さを持っているのですよ。
ここが、凄く物語全体を前向きな雰囲気にしていると思います。

ほんでですねー。
後半、そんな彼ら彼女らが(巻き込まれてではあっても)実戦に入るようになって。
これは最早、熱くないわけがないですよね。
アキさんと生徒たちで、戦い方に差別化が図れているのも上手い。
カタログスペックだと中の下程度だけども、圧倒的経験値と技術を持つアキさん。
対して、技術は未熟で経験もゼロに等しいけれどもカタログスペックは掛け値なしの世界最強級の生徒たち。
そしてどちらにも共通するのが、戦う覚悟が決まっている(あるいは、決まった)こと。
覚悟が完了してる人たちの戦いって、それだけでもう熱いですよね。

特にアキさんは、唯一『結末』を知っているだけあって命の懸け方がガチ。
足りない力を知識と経験と命で補うっていうのも、実に王道的な熱さです。
これぞ主人公、って感じの見せ場の数々でした。

総じて。
暗くなく、しかし軽くもなく、悲劇的であり、喜劇的でもあり。
悲惨な運命へと前向きに抗う人間の強さが描かれた、非常に王道的な熱さを持つ美しい物語でございました。
今後アキ先生と生徒たちがどのように成長しどこに辿り着くのか、是非とも最後まで見守りたい作品です。

魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍

どうも、はむばねです。
うーむ、微妙に忙しい……。
でかいタスク一つにかかりっきりになるパターンだとまだいいんですが、色んなタスクが重なった結果で忙しいパターンだとすげぇ消耗が激しいんですよね……。
なんかこう、常に「これが終わっても次あれやらないと……」という焦燥感に駆られるといいますか。
ホント、前職場を思い出す状況になってきたな……。
あまり思い出したくない類の記憶もまぁあるにはあるんだけども、しかし「あれがいけたんだから今の状況くらい、よゆーよゆー」と思う自分が生まれているのも事実である……。
#なお、当時いけていたとは言っていない。

けど、どんなに忙しくてもジャンプとライトノベルだけは読むよ!
というわけで、感想です。
滅茶苦茶久しぶりに、「というわけで」を正しい文脈で使った気がするな……。

なお、今回はかなりネタバレしてるので未読の方はご注意を。


魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍 (HJ文庫)
子子子子 子子子
ホビージャパン (2017-08-31)
売り上げランキング: 24,127


あらすじはAmazonより抜粋。
>ルーン魔術VS陰陽術! 伝説の武器が激突する!!
>
>魔女学園で起きた事件のほとぼりも冷めきらぬ頃、突如フランセスの元に彼女の弟が訪れ、政略結婚の決定を告げてきた。
>晴栄との出会いを経て己の意志で歩み始めたフランは、その縁談を破棄すべく魔術の本場・欧州は独逸の啓明学園に向かう。その隣に彼女の人生を変えた“恩人"たる陰陽師を従えて――。
>「僕はお前が運命に抗い続ける限り、この手を伸ばすと約束した」レーヴァテイン、ブリューナクなどの術装を相手に、変幻自在の陰陽術で立ち向かえ!
>ハイエンド魔術バトルアクション第二弾!

前巻の感想はこちら


今回は、フランさん回でしたね。
個人的に、一巻を読んだ時点で一番好きなキャラだったので嬉しかったです。
好きなんですよね、デレ成分多めの子……。

にしても、今回はデレッデレやなって感じ。
かなり窮地に陥ってる反動もありますからね、仕方ないね。
いいよー、とてもいいですよー。
フランさんには、今後も是非デレデレな姿を見せ続けていただきたい。

また、新キャラとしてフランさんの弟であるフランツさんが登場するのですけども。
この人が普通にいい人なのも良かったですね。
こういう場合って姉思いではあっても他のことには高圧的、みたいなキャラ付けにされがちですが、気配りも出来るし貴族としての矜持を持ちつつも(あるいはだからこそ)ちゃんと貴族以外の人のことも考えられてるしで、めちゃ好感度高い。
つーか物語の中では露骨な敵役にされがちですが、普通に考えれば貴族の人って(少なくとも表面上は)好感度高くないとおかしいと思うのですよね。
社交こそが仕事的な部分があるんですし。
そういう意味で今回の敵役であるルドルフさんも、敵役ではあるんだけども貴族としての振る舞いとしては(嫌味っぽくはあっても)正しい姿だった(正しい姿を演じていた)と思います。
この辺りの、バックボーンがしっかりと想像出来る人物描写は流石。

閑話休題。
魔術関連については相変わらず圧巻の知識量に裏打ちされているのがわかる描写です。
もっとも、これまた相変わらず私にはそれがどう凄いのかイマイチわからなかったりするのですが。
出来るのは、書かれている情報を「そうなのかー」とそのまま受け止めることだけです。
しかし逆に言えば、受け止められるだけの情報をきちんと書いてくれているので、特に混乱とかはなかったです。
この辺り、1巻の時も思いましたが専門性と平易性を両立してるとこが凄いですね。

最後の方バトルについても、総力戦って感じがして凄くよかった。
やっぱ、全員の協力あってこその勝利って燃えますよね。
ティチュさんとかの実質的な非戦闘員にもちゃんと役割があったのも良かったです。

というか、バトルの熱さは1巻を更に上回っていた気がします。
1巻はページ数がある程度ミステリ要素に割かれていたのに対して、2巻は比較的シンプルな構成でバトル要素多めになってことも大きいんですかね。
たっぷりと因縁を描写してくれたこともあり、カタルシスもバツグンでした。
なんだかんだ、ルドルフさんの最後が潔かったのも格好良かったですね。
結局彼も利用された存在に過ぎなかったということで、今後どのような陰謀に巻き込まれていくことになるのかという期待も高まります。

そして、女装男子の狼ミミ狐シッポ姿再びw
すかさずここにイラスト挟んで来るな……w
この作品を作り上げた皆さんの一体感を感じるぜ……。

あと、今回は恋愛面で進展? も。
恋心を自覚した後での性別バレは、女装モノの王道ですよね。
女装姿に惚れる男が出て来るのも、お約束。
#いやまぁ私、言うほど女装作品に触れたことあるわけでもないんですけど。
この辺りの人間関係がどう転んでいくのかも楽しみです。

復讐心が最前に来ていた晴栄さんの心情が人と触れ合う度に変わっていくというのも、王道で良い展開ですね。
最終的に晴栄さんさんはどのような選択をするのか。
今後の展開への期待が更に高まる二巻でございました。

姫騎士はオークにつかまりました。

どうも、はむばねです。
えー、こないだリップクリームの使用期限ヤバいじゃんワロスってお話を致しまして。
しかしその際、色変わってなかったら大丈夫ですよってお話をいただき、ならいけるやん! って思ったのですけれど。
この度、誤ってリップクリームを洗濯機にぶち込んでしまったことをご報告致します。
ま、まぁ逆に捨てる踏ん切りがついてよかったんじゃないですかね……(震え声

そんなこんなで、感想です(別に乾燥とかけているわけではない)。
あんまそういうの気にするタイプの作品でもないかな、とは思いますが、一応終盤のネタバレアリなのでご注意を。


姫騎士はオークにつかまりました。 (ファンタジア文庫)
霧山よん
KADOKAWA/富士見書房 (2016-02-20)
売り上げランキング: 116,967


>不景気真っ只中のモリタニア王国にて、就職活動に失敗し派遣オークとして働く、里中・オーク・弥太郎。
>倉庫襲撃の業務中、ゆとり教育の権化で魔法使いの佐々木、エルフの遙香と一緒に特別ボーナス目当てで姫騎士・杏樹を捕縛するが…。
>「くっ…殺せ!」
>「興味ないんで、黙っててもらえますか」
>姫騎士らしい扱いをしない、バリバリ草食系男子の弥太郎に杏樹の不満は募るばかり。
>しまいには、行き遅れを恐れる杏樹に素敵な恋愛をさせるため、女子力UPを手伝うことになり!?
>普通になりたいオークと姫騎士のマイルド社会派コメディ!

序盤は、めちゃ世知辛いファンタジーの就活事情。
つっても、ほぼ現実ベースですがw
これは、無い内定の人が読むと辛いかもしれない。

しかし、犯罪組織も派遣を使うってのは面白い発想ですね。
まぁいうて、日本のブラック企業も普通に犯罪組織なわけですが……。
実はそこを皮肉ってるのだろうか。

というのは、ともかくとして。
全体的にゆる~い雰囲気なのが良いですね。
ちょくちょくピンチは訪れども、緊張感が持続しない。
こういう力を抜いて読める作品、好きです。

王都に戻って仕事も貰って、日常エンド!
……と思わせて、もう一悶着あったというのも意外でしたし良かったです。
結局、これも割と緩い感じでしたがw
とはいえ、主人公が己の心を決めるという王道展開もあってグッドでした。

しかし、これはなんていうジャンルと呼べばいいんだろうな……と思ってたら、あらすじに『マイルド社会派コメディ』って銘打たれてるのね。
なるほど、これは上手い言い方。
ラブコメという程にラブメインではなし。
社会派という程に攻撃的でもない。
まさしく、マイルド社会派コメディって感じ。

とはいえ、笑いどころまでマイルドに少なめというわけでもありません。
むしろ、随所に散りばめられてます。
ただ、まぁまぁ前提知識を必要とするネタ(テンプレを外す系)が多いのと、ちょいちょいメタいネタもあるのでその点は一応注意ですかね。
個人的には好きな感じの笑いでしたが。

総じて。
肩の力を抜いて読める、ゆる~い感じのコメディ。
しかし現代社会(舞台はファンタジーですが……)ならではの悩みを抱えた主人公の葛藤、そして成長という王道も外していない作品だったと思います。
あと、姫様がエロい。

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

どうも、はむばねです。
Twitterでは書いておりました通り、昨日は(も)酒飲みながら作業してたわけなんですけども。
やっべ、昨日どこまで進めたか覚えてねーわ。
思ったよか回りが早くてですね……。
オゴゴ……引き継ぎ資料作っといてクレメンス……。
……と思ってフォルダ漁ってたら、引き継ぎ資料あったわ。
はむばね(酔)、やはり有能……。

というのはともかくとして、感想ですよっと。
そんなにネタバレ云々気にするような作品でもないと思うけど、そこそこ終盤までのネタバレがあるので一応ご注意を。


通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (ファンタジア文庫)
井中 だちま
KADOKAWA (2017-01-20)
売り上げランキング: 13,424


あらすじはAmazonより抜粋。
>「これからお母さんと一緒にたくさん冒険しましょうね」
>「あり得ないだろ…」
>念願のゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子も付いてきて!?
>ギルドでは「彼女になるかも知れない子たちなんだから」と真人の選んだ仲間をお母さん面接したり、暗い洞窟で光ったり、膝枕でモンスターを眠らせたり、全体攻撃で二回攻撃の聖剣で無双したりと息子の真人を呆れさせる大活躍!?
>賢者なのに残念な美少女ワイズと、旅商人で癒し役のポータも加わり、救うのは世界の危機ではなく親子の絆。
>第29回ファンタジア大賞“大賞”受賞の新感覚母親同伴冒険コメディ!

タイトルからてっきりお母さんが魔王なのかと思ってたら、勇者サイドだったでござる。

というのは、ともかくとして。
ノリといい文体といい、なんとなく『勇者リンの伝説』を彷彿とさせるなっていうのが第一印象でした。
主人公の影が薄……ん゛んっ。
サブキャラが濃い、という点も含めて。
たぶん、好きな層はかなり重なるのではないでしょうか。

しかし個人的には、主人公・真人くんの好感度が非常に高いのがグッドポイントでしたね。
めんどくさい思春期と見せかけて、意外と物分りがいい上に対人スキルすげぇ高い。
ワイズさんとの初対面を、まさかあそこから穏便な形に落ち着けるとは思わなかったぜ……。
一応思春期はしているもののちゃんと家族のこと想ってるし、悪いと思ったら謝れるし、マジえぇ子。
つーか、煽り耐性高すぎてワロタw
ワイズさんの口の悪さをここまで冷静に流せるとか、並の主人公の器じゃない。

というか、(メタ的に見て)ワイズさんはここにかなり救われてる感じがしますね。
ここで真人くんがやり込められたりグヌヌってなったりすると、もっと印象悪くなってたと思います。
真人くんがスルー気味だからこそ、「残念賢者」のポジションに落ち着いてそこまでヘイトが溜まらないんですよね。
これは上手い配置。
まぁ、ワイズさん本人のチョロさが一番の理由ではあるでしょうけれど。

ただ、この世界はちょっと真人くんに厳しすぎる気がするな……。
なんか非難されてる場面でも、普通に彼の言ってること正論だと思うんですけど……。
むしろ、かなり言い方に気をつけてる方だと思うんですけど……。
これ、現実なら普通に聖人君子扱いされるレベルやで……。
ワイズさんに至っては、母親関連については自分のこと棚に上げすぎじゃないですかねぇ……。
いや、一応そこに関してはそんなキツい言い方もしてないし自覚してのことなのか……?
母親云々じゃなくて、「空気が悪い」ことに関する文句しか言ってないし……。
だとすれば、かなり巧みな心理描写だな……。

まぁ、それはともかく。
ワイズさんが母親を嫌う理由については、妥当すぎてワロタw
こういうのって普通、なんかちょっとしたすれ違いで……とかじゃないのか……(困惑
普通にガチで人としてアレなやつじゃねーか。
むしろ、まがりなりにもこれを母親と認めて歩み寄ろうとするワイズさんマジ天使。
多少なりとも溜まっていたヘイトが全部好感度に転換されました。
これまた上手い構成ですね。

結局お母さんが最後まで持っていく展開は、完全に予定調和ではありますがいい感じにカタルシスがありますね。
主人公があまり活躍しないことへの批判もあるようですが、個人的には真人くんはこの展開だからこそ輝く主人公だと思います。
お母さんがちょい盛られすぎてるだけで、真人くんも別に弱いわけじゃないですし。
だからこそ、「見せ場を張れない」ではなく「見せ場を譲った」感があって良かったです。
普通に良アシストもしてますしね。

お母さんがヒロインという一点突破のネタ小説と見せかけて、なんだかんだちゃんと親子観的なものを示してくれている点も良かったです。
ただこれ、今だからこそ子供組の感情も微笑ましいものとして見れますし大人組の言い分も普通にスルッと理解出来ますけれど、十代の頃に読んでたらどういう感想を抱いてたんでしょうね。
共感したのか、反発したのか。
そういう意味で、15年くらい前に出会いたかった作品かもしれません。

桜色のレプリカ 2

どうも、はむばねです。
はい、本日は今月頭に発売だった『桜色のレプリカ』2巻の感想なわけなんですけどね。
発売日に入手して読むのを楽しみにしていたんですが、まさかの実家に持って帰るのを忘れるというミステイク。
というわけで、結局8月も末になっての感想となってしましたが早速いってみましょう。

1巻の内容含めてちょくちょくネタバレありますので、未読の方はご注意を。


桜色のレプリカ 2 (HJ文庫)
翅田大介
ホビージャパン (2017-07-29)
売り上げランキング: 35,781


1巻の感想はこちら


あ~……。
あ~……。
これは、もう、なんていうか、あ~……。
読み終わった後しばらく、あ~……ってなりました。
1巻の時も全く同じこと書いたんですが、2巻はそれ以上に、あ~……でしたわ。

1巻は比較的謎解きというか、「誰が人間なのか?」という問いへの答えを探す感じでしたけれど。
2巻は、それともまた違った雰囲気でした。
「人間とは?」という問いかけへの答えを探すという部分もありましたが、どちらかというとカザネくんとヒロインズとの交流がメインだった印象。

いや、ていうかね。
1巻ラストで、「うわーこれは怒涛のシリアス展開突入ですわー」と思ったものですが。
まさか、ラブコメ方向に揺り返してくるとはなw
むしろ真ヒロイン(?)がハッキリした分、1巻よりラブコメ色が強まった印象すらある。

状況的には、かなり絶望色が強いんですけどね。
1巻の時点で、人類のかなり閉塞的な状況は描かれてますし。
2巻では、更に人類が『終わってた』ことまで明かされていきます。
なのに、物語全体としては暗い雰囲気は薄かった印象なのです。

その理由の一つとして、(途中から)カザネくんが吹っ切れた感があるというのは大きい気がしますね。
あと、真ヒロインさんが(一般的な方向とは多少違えどある意味)無茶苦茶前向きというのも大きい。
結果、絶望的な状況で、いずれ終わることがわかっていて、それでも今だけは穏やかな時を過ごしているという感じといいますか。
この後ろ向きなのに前向きな雰囲気、凄く好きでした。

つーかねー。
美しい。
非常に美しい物語でした。
構成としても美しいし、何よりここで描かれる"人間"がとても美しく感じました。
終わりを知りながらも最後まであがく意地が美しい。
どれだけ絶望的な状況だろうと人類を滅亡させないためにあらゆる手段を講ずる強さが美しい。
次世代のために自ら犠牲になる尊さが美しい。

本作において、人間を人間たらしめるものは何かという問いに対してとある人物(?)が出したアンサーとして『自己犠牲』という言葉が挙げられているのですけれど。
それだけだと、まぁ言ってしまえば陳腐なんですよ。
散々使い古された言葉であり、美辞麗句であり、であるがゆえに「今更そんな言葉で人間が定義される?」と、鼻で笑ってしまうようなもの。
実際、ヒロインさんは鼻で笑っちゃってます。
でもここまでの人類の行動を鑑みると、そしてその行いを全て見てきたあの人(?)だからこそ、その定義にも凄く納得感のある説得力が生まれていると思うのです。
現実でそんな風になるかはともかくとして、理想的な"人間"としての美しさ的なものを感じる。

最後の"生徒"たちとの別れも、凄くグッときました。
特に、三十刈はとてもとても良かったですね。
おちゃらけキャラが最後に見せる真面目な一面……とも、少し違う気もしますけれど。
彼女にも過去があったんだ感といいますか。
当然といえば当然なんですが、その当然が当然でないように思わされていたといいますか。
結局人間とは、レプリノイドとは、ってとこに関わってくるのかもしれませんけれど。
彼女たちも、実に"人間"らしかった。

つーかこの物語、"人間"(とされている人)も"非人間"(とされている人)も、すげぇ人間臭いんですよね。
だからこそ、真に人間を人間たらしめるものとは何なのかって命題が生まれてるわけでもあるんですけども。
でもなんかもう、最後には「もうみんな人間でいいじゃん!」って感じに思えてきます。
人類という種を残すためにあらゆる可能性を模索した彼女も人間だし、愛の定義を探し続けた彼女も人間だし、愛ゆえに狂った彼女も人間だし、勿論自身が人間であるのかどうか悩み続けた彼女も彼も人間でしょう。
もしかすると翅田先生の書かれた意図とは違うかもしれませんけれど、個人的に本作は、たまらなく"人間"たちが織りなす物語であったように感じました。
実際のところ作中に(少なくとも現代の定義における)"人間"というのは一人も登場しなかったりするのですが、それでもとても美しく"人間"を描いた物語であると思います。

BANANA FISH

どうも、はむばねです。
思い出したかのように過去の名作を読んで感想を書く! のコーナー!
今回は、少女漫画の名作『BANANA FISH』です。
……と、さも以前から知ってたように書いてますが、普通に最近完結済みのオススメマンガで調べて知った作品ですね。
全19巻と、割と手を出しやすい長さだったのも良かったです。

んでは、早速感想いってみよう。
直接的な言及は控えてるつもりですが、微妙にネタバレしてるかもしれないのでご注意を。


Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)
吉田 秋生
小学館
売り上げランキング: 212,517


あらすじはAmazonより抜粋。
>1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。
>男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。
>ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。
>殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。
>アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。
>雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。

最初のシ-ン、顔の見分けがつかねぇな……。
というのがまず最初の感想でしたが、それはともかく。
少女マンガなのにハードすぎワロタw
いやでも、結構少女マンガってこういうとこありますよね。
振り切ってる作品は、下手な少年漫画より断然振り切ってるという。

とにかく、無茶苦茶人が死にます。
モブが出てきたら、大体死ぬと思っていい。
ネームドキャラも、まぁまぁの確率で死ぬ。
特に終盤になってくるにつれて、在庫一掃セールかよってくらい死ぬ。

しかし、その容赦ない殺しっぷりが先の読めなさに繋がってますね。
マジで、結構メインで出てきたようなキャラでも普通に死ぬからな……。
ピンチのシーンで、「でもどうせコイツは死なないんでしょ?」みたいな油断が一切許されない。
むしろそんなピンチじゃない場面でさえ、ページめくった瞬間に流れ弾にでも当たって死んでてもなんらおかしくない雰囲気があります。
読んでるとやっぱ死んでくないキャラってのもそれなりに出てくるわけで、そいつが死んじゃわないかハラハラしながら読むスリルがありました。

つーか、アッシュくん(主人公)サイドはほぼ子供か非戦闘員で、それで敵対するのがマフィアやら国家なんでね。
基本、敵が強大すぎて絶望感がヤバいです。
まぁそれでもアッシュくんは容姿端麗頭脳明晰運動神経抜群で銃の腕も作中随一で各分野の知識も専門家並かそれ以上で教養も身に付けているというスーパーマンオブスーパーマン(ただし過去は悲惨)なので、割と対抗出来てる……どころか結構圧倒してるくらいなんですけども。
しかし、彼の味方はそうもいかないのだ……。
というわけで色んな場面で周りを助けるためにピンチが訪れ、まぁまぁストレス展開も多いのですが、それだけにいざ反撃が開始されると凄くカタルシスが感じられます。
まぁ、代償として失うのが概ね味方してくれた人たちの命ってところがかなり重いですが……。

英二くんの存在感が徐々に増してくる感じもよかったですね。
まぁ序盤から、要所で男を見せてくれる感じではありましたけれど。
ポジション的には、概ねヒロインというかピーチ姫なんですけどね……。
彼の存在が、アッシュくん最大の弱点であり同時に最大の拠り所でもある、というのが実にヒロイン(?)らしくて良かったです。
英二くん自身、途中から精神力がやべぇ感じになってきてむしろ作中で一番覚悟完了してるんじゃないかって感じになってくるところも好き。

ほんで、敵役もなかなかいい味出してます。
いやまぁ、ほとんど救えないレベルの悪人ばっかではあるんですけど。
それでも悪なりの挟持とか価値観を持ってるところが良かったですね。
個人的には、やっぱディノさんが好きだったかなー。
最初出てきた時はただのやられ役の小者かと思ってたんですが、なんか彼も登場毎に株を上げていった感があります。
アッシュくんにとって最大のトラウマであり、最も憎むべき敵であり、しかし同時にアッシュくんをスーパーマンに育て上げた本人でもある、という多様性も良かった。
実際、作中で(あるいは味方まで含めても)アッシュくんの実力を最も評価してたのはディノさんって感じがしますしね。
ゆえに、同時に最もアッシュくんにビビってた人でもありますが。
中盤でアッシュくんと直接対峙した時にディノさんが密かに震えてるところか、アッシュくんの底知れ無さが表れてて好き。

つーかディノさん、途中から変な方向にデレていきますよねw
実際この人、普通にアッシュくんのこと敵対しても好き(性的な意味で)だった感ありますし。
しかし最後の散り際は、アッシュくんに迎合するでもなく、いい人になるわけでもなく、悪役として格好よく退場していった感があると思います。

総じて。
めちゃハードな物語ではあるんですが、理不尽な展開はなくキャラも敵味方共に魅力的で。
とある少年の駆け抜けるような人生を描いた、ある種の美しさを感じさせる物語だったと思います。

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