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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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お題SS更新:と 「豆腐と糸蒟蒻。特価品のやつね」

「すーいちゃん、お買い物行ってきてちょうだいな。豆腐と糸蒟蒻。特価品のやつね」
「あいよー」
 そんなやり取りを経て、買い物に出た彗。
 無事に買い物を終えた、スーパーからの帰り道である。
「ん……」
「あれ?」
 双方、同時に気付いた。
「昇神先輩!」
「よ、井上」
 嬉しそうに顔を綻ばせた秋乃に、彗は軽く右手を上げて挨拶する。
「部活帰りか?」
 制服姿の秋乃を見て、そう当たりをつける。
「はい、そうです」
「そか。大変だな」
「いえ、好きでやってることですから」
 そんな雑談の最中、秋乃の目が彗の買い物袋に向く。
 一番上で目立つのは、豆腐と糸蒟蒻だ。
「今夜はスキヤキですか?」
 その食材から思い浮かぶ、最もポピュラーなメニューを口にしてみる。
「ん、そうだよ」
 果たして、彗もあっさりと頷いた。
「いいですねー、スキヤキ」
 ごくごく普通の会話の最中。
 秋乃は、ふと何かに気付いたような表情に。
「そ、そうですかー。スキヤキ、ですかー」
「あぁ」
「スキヤキ、なんですねー」
「……? うん」
 急にモジモジしだし、しかも同じ話題を繰り返す秋乃に、彗は首をかしげた。
「スキヤキ、ですねー」
「うん」
 しかし、秋乃はまだまだ繰り返す。
「スキ、ヤキ、ですよね」
「うん」
 疑問符を浮かべながらも、彗も律儀に返事する。
「スキ! ヤキ! です」
「うん」
 いつの間にやら、秋乃の声は大声と称していいほどに。
 人通りが少ない道だったのが、双方にとって幸いである。
「スキ! ヤキなんですけど」
「うん」
 やがて、最初の部分とは対象的にヤキの部分の声が小さくなっていく。
「スキ!!! ヤキ、なんですけどいいですよね!?」
「は、はい」
 秋乃の勢いに押され、なぜか彗の返答も敬語になっていた。
「……えへへ」
 とても嬉しそうに、秋乃ははにかむ。
「どうもありがとうございました」
「……どういたいしまして?」
 何に礼を言われているのか全くわからず、しかし彗はテンプレ通りにそう応えておいた。
「それでは先輩、失礼しますね」
「ん、あぁ。気をつけて」
「はい」
 踵を返し、秋乃はその場を後にする。
 踊るようにステップを刻み、その歩みは鼻歌と共に。
「言っちゃった~♪ 言っちゃった~♪ いっぱい言っちゃった~♪」
 自作の歌と共に軽やかに、大変楽しそうに秋乃は去っていく。
「……?」
 何のことやらまったくわからず、彗は狐につままれたような表情でそれを見送るのだった。



お題SS更新:へ 「変だよ、絶対変だ」

「なぁ、弓」
「うん?」
 弓の、振り向きざま。
「……っ?」
 グイと、体が彗の方に引き寄せられる。
「すーちゃん……?」
 戸惑った様子で弓は首をかしげる。
「どうかした? もしかして、なんか攻撃とか来てた?」
 キョロキョロと周りを見回す。
 しかし、それらしき攻撃の跡は見当たらない。
「いや、そんなんじゃない」
 あれだけの剣術を駆使しているとは思えないほど細い弓の腰に、彗の腕が回る。
 一方の彗は、トレーニングの成果なのか見た目の印象よりも逞しい。
「それとも、何もないのにこんなことするのは変か?」
「それは……」
 真っ直ぐ弓を見つめる瞳。
 そこに魅入られかけて……ハッとなり、弓は目を逸らす。
「へ、変だよ。絶対変だ」
 その頬には、少し赤みが増していた。
「そうか?」
 彗の指が弓の顎にかかった。
 そして、顔を強制的に彗の方へと向き直らせる。
「あ……」
 再び二人の視線が交差した。
「……やだよ、すーちゃん。からかっちゃ」
 恥ずかしそうに、弓はまた顔を逸らそうとする。
 しかし、顎にかかった彗の指がそれを阻んだ。
 逆らうこともできただろうに、弓はただその強引さに従ってしまう。
「そんなに、おかしいか?」
 一部のふざけた調子もない視線が、弓を射抜く。
「それは……」
 今度は、目を逸らすこともできない。
「それ、は……」
 熱に浮かされたように、弓の目が虚ろとなっていく。
「もしかすると、おかしくない……の、かも」
 その言葉が、最後のキーだったかのように。
 二人の距離は、ゼロへと近づいて……




「!?」
 ガバッと勢いよく弓は身体を起こした。
「……?」
 一瞬状況がわからず、周りを確認する。
 いつもの、自分の部屋だった。
「……なんだ、夢か」
 ほっと弓は胸を撫で下ろす。
「まったく、まいったよ。なんだってあんな夢……」
 苦笑いで、先ほどの夢の内容を思い出す。
 まだ温もりさえも思い出せそうな、夢。
 彗の、温もり。
「あ、はは……あんな、夢……」
 思い出す弓の頬に少し赤みが差し、動悸が速くなる。
 その事実には、当の弓本人さえも気付いていない。
 そして、それが何を意味するのか。
 それは、神でさえも知らない。


お題SS更新:ほ 「ホントは、好き」

 一年六組の、とある昼休み。
「やっぱり井上秋乃さんは、死之神円花さんよりも昇神彗さんを意識すべきだと思う。十分、昇神彗さんをノックアウトするワザも持ってるはず」
「うん、それポケモンの話だよね?」
「わるあがきも、昇神彗さんになら通じるかも」
「だからそれポケモンの話だよね?」
「けど、そういう意味では死之神円花さんに勝てる可能性はかなり低い」
「ポケモンの話引っ張りすぎ! どんだけポケモン好きなの!?」
 秋乃の叫びに、ふと真はじっと秋乃の方を見る。
 あまりに真っ直ぐな視線に、思わず秋乃の方が上半身を少し引いた。
「な、なに?」
 タジタジと秋乃は尋ねる。
 そんな秋乃を、さらに数秒見つめて。
「嫌い?」
 真は、ただそれだけ言って首をかしげた。
 ただの一言、意図が伝わるはずもない言葉。
 で、あるはずなのに。
「……ううん」
 秋乃は、首を横に振った。
「ホントは、好き」
 恥ずかしそうに、小さく言う。
「嫌いなわけ、ないよね」
「そう」
 真が頷く。
 その口元には、わずかに笑みが浮かんでいる。
 慣れた者にしかわからぬほどわずかな変化は、しかし慣れている者にも滅多に見せない変化。
「ならよかった」
 真が窓の外を見る。
 秋乃もつられたように見える。
 空の向こうには、青い空が広がってた・



「……いや何を綺麗に終わらせようとしてるの!? 特にラスト何の話!?」
「ポケモン」
「ですよね!?」




通常更新:思ったよかヤバい

どうも、はむばねです。

たぶん本日10回目の更新。

やべぇ、早くも全力で更新のペースが追いついてないぜ!

え? ストック?

そんなもんとっくに尽きてるよ!

だいたいですね、やる前からわかってたことではありますけどね。

30分で1本SS書くとかなんなの? バカなの? 死ぬの?

そもそも私、実は昨日寝てないわけですよ。

さりとて別にネタのストックとか書いてたわけでもないので、ぶっちゃけただ寝てないだけなんですよ。

耐久更新じゃないから普通に寝るよとは宣言してますが、さりとてその間の予約更新分のネタはストックしとかなきゃいけないわけですよ。

つまり、8時間寝ようと思ったら16本分のストックを溜めてからじゃないと眠れないわけですよ。

なんだこれwwww寝れる気がしねぇwwwww

まぁ、いざとなれば全力で過去SS放出するんですけどね!

ていうか、寝るとか寝ないとか以前に普通に全力で書いてても差し込まれ気味なんですけどね!



あ、ちなみに先ほどの更新『なんちゃってダイジェスト~スタンプ・デッド the Extra Stage~』は、以前に雪魔氏と(いつも通り)変なこと話してたら浮かんだネタです。

本当はこのネタをちゃんと書いてこの更新を何個か分水増ししようかと思っていたのですが、余裕でまとまりきらなかったよ!

しかも、時間がなかったのでダイジェストさえも一発書きの適当さ。

本編はそのうち書くかもしれません。

書かないかもしれません。

たぶん書きません。

来年あたりにまた30時間更新とかやったら書くかもしれませんが、まずその企画自体をたぶんやりません。



他SS更新:なんちゃってダイジェスト~スタンプ・デッド the Extra Stage~

「ふみゃ!?」
 ある朝、昇神家に響いた声。
 トイレ方面から聞こえた奇声に、彗は不思議そうに首をかしげる。
「なんだ?」
 しばし待っていると、その方向からヨロヨロと円花が姿を現した。
「……朝っぱらなんかダメージを負ってるようだな。トイレの花子さんにでも遭遇したか?」
「花子さんは一般のご家庭には現れないと思います……」
 後頭部を押さえて、目じりに少し涙を浮かべながらも円花は律儀に応える。
「で、結局何があったんだ?」
「あー、それがですねー」
 そこで、円花の表情に少し照れが混じる。
「トイレのドアノブに頭をぶつけました」
「……そりゃまた、随分と器用なこ芸当だな」
 呆れ気味に、彗は肩をすくめた。




 そんな、少し珍しくて。
 けれど、なんでもない朝の光景で。
 それが全ての始まりであるとは、もちろん誰も気付いてはいなかった。




 神崎学園は、妙な熱気に包まれていた。
 この学園に2年も通っていれば、嫌でも感じ取れる感覚。
「うわー、突発的なお祭りくせー」
 彗は、とりあえず棒読みでそう呟いてみた。
「今度は一体何を……あれ?」
 話しかけようとして、つい先ほどまでそこにいたはずの者がいないことに気付く。
「……あれ?」
 もう一度呟いて、首をかしげた。
「よう、昇神」
 と、背後から肩を叩かれた。
 振り返るまでもなく、その妙にいい声で判断できる。
 彗のクラスメイトにして放送部部長、川村だった。
「よぅ。そんで、今回は一体何の騒ぎなんだ?」
「あぁ、今回はあれだ」
 ニヤリと、実に楽しそうに川村は笑う。
「生き残れ、第一回神無砂希大サバイバル!」
「……なんだそりゃ?」
 語感だけでろくでもなさそうな言葉に、彗はうんざりと疑問を返した。
「まぁ、平たく言えば大規模な鬼ごっこってところだな」
「そうかい……まぁ勝手にやってくれ」
「おいおい、他人事だな昇神」
 その言葉だけで、彗の背中に悪寒が走った。
 残念ながら、こういうところだけは豊富な経験に裏打ちされた、そこそこ的中率の高い予感。
「お前らは、今回の主役だってのにさ」
 果たして、川村の言葉は彗の予感の的中率を証明する結果であったといえよう。
 と、彗はふと今の言葉に違和感を覚える。
「お前『ら』? てことは?」
 本日二度目の嫌な予感。
「お前と、死之神さんだな」
 またも的中。
「やっぱりか……そんで、あいつは?」
「死之神さん? なら、今賞品としての準備をしてもらってるよ」
「またかよ!」
 過去二度、王女様のような格好で『賞品』となっていた円花の姿を思い出す。
「んじゃあ、それはまぁいいや……そんで、俺の方が主役ってのは?」
「あぁ、それはだな……」
 川村の笑みが、さらに深まる。
「お前が、唯一の逃げる役だってことさ」
 それが、開始の合図だった。





 それは、普通からは逸脱した日常で。
 それでも、彼にとっては日常であるはずだった。
 少なくともその瞬間は、そう思っていた。





「おい、ちょっと待て真……お前、それ何を……」
「ドリル」
「いやドリルなのはわかってますけどね!?」
「きゅいーん」
「いやキュイーンじゃなくて! なんでそれ回ってんの!? うんまぁ今更お前にツッコミ入れる気もないけどね!? なんでそれを俺に向けてんの!?」



「おらぁっ!」
「う、おっ!?」
 上空から降り注いだ光を、間一髪で避ける。
 掠った部分から、プシュッと血が噴出した。
 熱量のせいか、痛みはない。
「おいおい、ちょっと待てよ……仁山、なんでお前まで……」
「ふ……時代は、大規模破壊兵器だからな」
 ふと、悪寒を感じた彗は上空を見た。
 無数に見えた光が、彼の背を本日最大限に震わせた。



「『インビジブル・ナイン』」
「消えた……だと!?」
「ふ……これが僕の、能力。制約は大きいが……」
「がっ!?」
 見えない背後からの攻撃を、彗は成す術もなく受け止めた。
「間違いなく最強の能力さ」
 姿を現す。
「この、川村弘之のね!」




 少しずつずれていく。
 何がずれているのか。
 どこにずれているのか。
 わからないまま、ただずれていく。





「くそ、無茶言うなよ! 今の俺は普通の人間……」
 反射的に、手が動いていた。
 ここ最近ですっかり馴染んでいた、長得物を操る起動。
 今は、存在しないはずのそれは……しかし、しかと対象を貫いた。
「な、に……?」




 疑問が重なる。
 しかし、考えることは許されない。
 状況が変わる。
 敵が変わる。
 味方が変わる。






(おかしい……何かがおかしい。何がおかしい? いや、違うな……『全て』が、おかしい)






 その中で、変わらぬものは?






「あぁ、そうだ……違和感はこれか。そう、全てがおかしいんだ。全てがおかしい、はずなんだ。ここまできたら、逆にそうでないとおかしい。おかしんだよ」
 一人、彗は語る。
「なぁ、そうだろう?」
 全てを、悟った口調で。
「唯一、変わらないのはお前だけだ」
 振り返る。






 信じられるもの。
 信じなければいけないもの。
 信じてはいけないもの。
 何が偽で、何が真。
 
 わからずとも、少女は叫ぶ。




「昇神先輩!」




 わかったからこそ、少年は叫ぶ。





「井上! お前は、俺が守ってやる!」







スタンプ・デッド the Extra Stage
"ザ・ラストサバイバル"
coming soon……never.

お題SS更新:に 「似合わない顔すんなって」

 机越しに向かい合う、彗と円花。
「うん、なんていうかごめん」
 珍しく弱った様子で、彗が謝罪の言葉を述べる。
「つーん」
 そしてこちらも珍しく、不機嫌そうな調子で円花が顔を背ける。
 口で「つーん」と言うほどに不機嫌だった。
「だから、悪かったって」
 重ね重ねの彗の謝罪にも、円花は取り付く島もない様子である。
「何もそんなに怒らなくても……」
「むっ!」
 ポツリと漏れた彗の呟きに、円花は鋭い視線を向ける。
 これも、大変に珍しい光景である。
「あのですね、彗さん! 私は深く傷ついているのです!」
「うん、わかってるよ。だから悪かったってばさ」
「そりゃ確かに、確かにですよ? 私らしからぬことだったとは思います、えぇ。でも、ちょっと試してみたかったりするときもあるわけですよ。いいじゃないですか。悪いですか?」
「いや、悪くないな、うん。まったく悪くはないぞ」
 円花の機嫌を伺うように、彗はうんうんと大げさなほどに頷いた。
 しかし円花には届いているのかいないのか、変わらず熱くまくし立てる。
「それをですね、彗さん。たまに、私がたまたま、出来心ですね、グロスを塗ったのに対してですよ?」
 そこで一呼吸。
 何かを思い出したのか、拳を握ってワナワナと震わせる。
「「唇になんか付いてるぞ」って何なんですか! しかもその後「今日油ものなんてしたっけかな?」って小さく言いましたよね! 私のオシャレは油ですか!」
「いや、ついポロッと出たっていうか……」
「ポロッと本音が出たわけですか! 私は所詮グロスよりも油が似合う女ですものね!」
「まぁそれはそうかもしれない」
 言ってから、ハッと彗は自分の口を押さえた。
 しかし、時既に遅し。
「…………………………」
 円花は、見たこともないような鋭い目で彗を見ていた。
「彗さんの気持ちはよくわかりました」
「オーケイ、まぁとりあえず一旦落ち着こうか」
「私はとても落ち着いています」
 実際、円花の口調も表情も端から見る分には落ち着いているように見える。
 ただし、その目は完全に据わっていたが。
「よし、今日の晩御飯はハンバーグにしようか」
「そうですか。嬉しいです」
 ニコリと円花は笑う。
 が、しかしその場には冷たい空気が吹き荒れていた。
 常ならば、円花の喜びで春の息吹が感じられるような場面のはずである。
(ハンバーグでもつられないとは……コイツ、マジで怒ってるのか)
 いよいよもって円花の本気を感じ取り、彗は腕を組んで「むむむ」と唸り始めた。
 しかし、解決策など思い浮かばない。
 それでも、頭からプスプス煙を吹きそうな勢いで彗は考える。
「……はぁ」
 やがて、円花が小さく息を吐いた。
「それじゃあ彗さん、チャンスをあげます」
「お、マジか」
 彗の表情にパッと明るみが差す。
 今日は珍しい光景のオンパレードだ。
 そんな彗に、円花はどこか意地悪げな笑みを浮かべる。
「私の機嫌が直るくらいの、甘ーいセリフで私をとろけさせてください。そしたら許してあげます」
「……マジか」
 対照的に、彗の表情は固まった。
「マジですよ」
 ニッコリ笑う円花だが、やはり目は笑っていない。
「…………わかった」
 苦虫を噛み潰すような表情ながら、彗は頷く。
 逡巡は数瞬。
 彗は、一つ咳払いしてグッと身を乗り出した。
 円花の頬に手を当てる。
「似合わない顔すんなって。お前は、笑ってる方がいいよ」
 微笑……のつもりなのかもしれないが、実のところその笑みはあからさまに不自然だった。
 頬がひくついている。
 羞恥のためか、顔のかなりの部分が赤く染まっていた。
 贔屓目に見ても、バッチリ決まったとは言いがたい場面だろう。
 それでも、秋乃あたりならば悶絶ものなのだろうが。
「………………」
 円花は、無表情に近い表情でじっと彗の顔を見つめていた。
「………………」
 彗にとっては重い沈黙であろうが、しかし彗も目は逸らさない。
「………………」
「………………」
 至近距離にて無言で見詰め合うその様は、まるでにらめっこのようにも見える。
「……ぷはっ」
 沈黙を破ったのは、円花の笑い声だった。
「あはは、彗さん、変な顔になっちゃってますよ」
「……うるさいな。こういうのは俺の領域じゃないんだよ」
 ケタケタ笑う円花に、彗が憮然と応えた。
 そんな彗を見て、また円花が笑う。
「あ、はは……うん、まぁとろけなかったですけど。面白かったので、まぁいいです。許してあげますよ」
 クスクス笑いながら、言葉通り円花の表情にもう怒りは見られなかった。
「結果オーライだが、なんか悔しいな……」
 一方の彗に、今度は不機嫌さが増す。
「……なんか悔しいので」
 まだ円花の頬に添えられていた手は、そのままに。
「こういうことをしてみる」
 グイと、さらに顔を近づけた。
 吐息のかかる距離で、二人の視線が交わる。
「これなら、とろけてくれるんじゃないか?」
「……さぁ、どうでしょう」
 真っ直ぐ彗の視線を受けて、円花はイタズラっぽく笑う。
「ここから先もしてくれるなら、とろけちゃうかもしれませんね」
 言外に、「できるんですか?」と込めて。
 受けた彗も、不敵に笑う。
「それじゃ、試してみるか」
「どうぞ?」
 互いに、挑発するような笑み。
 どちからともなく距離は縮まる。
 直前、そっと円花が目を閉


(省略されたわけではありません。わっふるわっふると書き込んでも続きは読めません)





お題SS更新:は 「春なんだよ、頭が」

 ピンポーン、呼び鈴の音が響く。
「はいはーい」
 洗い物途中だった彗は、エプロンで手を拭きながらパタパタと玄関に向かった。
 行動が明らかに主婦のそれであるが、それは至極今更なお話である。
「はい、どちらさ……」
 ガチャリと玄関を開けた瞬間。
「……ま?」
 パーンと、勢いのいい音が彗を迎えた。
「メリークリスマース!」
 音の発生源、クラッカーを手にするのはカプタインだ。
 しかし、いつもと少し姿が違う。
 オールバックにサングラス、やけに馴れ馴れしい笑みは変わらない。
 しかしもう一つのトレードマーク(?)、アロハが今日は違っていた。
 袖口に白いフワフワがついていることを除けば、全身がほぼ赤の統一されている。
 いわゆるサンタルックというやつだろうか。
 背中には大きな袋も背負っている。
 ただし、通常の長袖長ズボンではなく半袖半ズボンである。
 ついでに、サンダルなのはいつものままであった。
「……いらっしゃい」
 クラッカーから飛び出た紙吹雪を頭に乗せたままたっぷり数秒固まった後、彗はとりあえず搾り出すようにそう言った。
「で、何?」
 そして、全ての疑問を一言に集約した。
 様々な意味が入り混じった「何?」であった。
「はっはっは、見たらわかるやーん?」
 そしてカプタインもまた、一言でそう答えた。
 何ら彗の疑問に答えていない答えであった。
「彗さん? 誰か……あれ?」
 奥から顔を出した円花が、カプタインを見て首をかしげる。
「カプさん? 珍しいですね、どうしたんですか?」
「ノンノン、ちょっと違うでお譲ちゃん」
 手を前に突き出し、カプタインは指を振る。
「今日のワイはカプタインやない」
 ニヤリと笑い。
「カプサンタインさんや!」
 高らかにそう宣言した。
「わー」
 何のことかまったくわかっていない様子ながら、円花が恐らくその場のノリだけで拍手する。
「……ゴロ悪いだろ」
 彗の方は、どこか疲れた様子でそう言った。
「で、だから結局何しに来たんだよ」
 関わりたくないオーラを漲らせながら、彗が先ほどよりも強く尋ねる。
 返答によってはドアを閉めるぞ、という意思がそのドアノブにかけた手から窺える。
「いややなー。カプサンタインさんがすることって言ったら一つやん?」
 ゴソゴソと袋を漁り、取り出したのは二つの小包。
「メリークリスマス!」
 入ってきた時と同じ文句と共に、その片方を彗に手渡す。
「お譲ちゃんも」
 もう片方は円花に。
「はぁ、どうも……」
「わー、ありがとうございます!」
 彗がなんともいえない表情で、円花が素直に喜びを表してそれぞれ小包を受け取る。
「そんじゃ、ワイは次があるから!」
 渡すものを渡すと、カプタインはスチャッと手を上げた。
 そして、そのまま踵を返して立ち去る。
 残された彗と円花は、ポカンとした様子でそれを見送った。
「カプさ……カプサンタインさん、わざわざプレゼントのためだけに来てくれたんですかね?」
「さぁな……そんで、律儀に言い直さんでいい」
「まだ昼間ですのにね」
「あぁ。サングラスしてるから常に夜みたいなもんなんだろ」
「まだ23日ですしね」
「あぁ。たぶん未来を生きてるんだろ」
「ていうかあの格好、寒くないんですかね」
「あぁ。春なんだろ、頭が」
「ところで、何をくれたんでしょう?」
「さぁ……またエビとかじゃねぇだろうな……」
 二人、もらったばかりの小包を開ける。
 円花は期待混じり、彗はいかにも嫌そうな表情だ。
「あ、耳当てです! やった、最近登下校の時耳が寒かったんですよねー。しかもかわいい!」
「こっちは紅茶か……しかも結構いい銘柄……」
 円花が嬉しそうに顔を綻ばせる。
 一方の彗は、さらに渋い顔となった。
「普通のプレゼントなのが、逆になんかムカつくな……」
 不機嫌そうに、もらったばかりの紅茶を見つめる。
 しかし、やがて諦めたように「ふぅ」と息を吐いた。
「ま、せっかくだしお茶にでもするか。確かカステラがあったはずだし」
 そう言って家の中へと戻る彗の、口元に。
 ほんの少しだけ、嬉しそうな笑みが浮かべられていた。
 それを見たのは円花だけ。
「はい、そうしましょう」
 クスリとおかしそうに笑って、円花も彗に続くのだった。





通常更新:カレー食べた

どうも、はむばねです。
本日何度目だったか最早わからなくなっている更新。
プロジェクトミーティング終わったよー\(^o^)/

さて13時半の更新の時点で書き溜め0と書きましたが、これまでの更新がなされていることからもわかる通り、実は一応書き溜め自体はあるよ!
現時点で三本だけな!
今度はガチの数字です。
そして、この更新の時点で既にそのうち二本が失われています。
やべぇ、ここは通常更新でどうにか凌がねば!
というわけで、カレー食べたよー\(^o^)/
うん、いやまぁというわけでってわけでもないんですけどね。




あなたに送る独り言byはむばね

辛いもの・苦いものが苦手の某氏にプレゼントされたLEEカレー30倍をみんなで食したよ!




あなたに送る独り言byはむばね

見た目は思ったより普通。




あなたに送る独り言byはむばね

もちろん、初っ端から辛味ソースもかけて辛さは45倍だぜ!



食した感想:

・辛いの強い系の人々(S島君、トミィ君など)
「CoCo壱の一辛か二辛くらい? 五辛にも遠く及ばない」


・通常の人々(ルカ様など)
「いや一辛よりは辛いでしょう」

・私(あまり得意ではない)
「ごほっ、ごほっ!」(なんか知らんけど、ただでさえ風邪で咳ゴホゴホしてるのがえらい勢いで誘発された

・某氏(辛いものが苦手なことで有名)
「(奇声)」(口内からカレー噴出



という結果に終わりましたとさ☆
うん、まぁ正直45倍とはいっても食べられない辛さではなかったと思います。
実際、あの某氏でさえも今は(ご飯をえらい勢いで消化しながら)ちゃんと食べてますしね!
ただ、できることならば罰ゲーム以外では食したくはない。



お題SS更新:ろ 「論点が違うー」

「ねぇ、襟木君」
 一年六組の、とある休み時間。
 真の前の席を陣取って、上半身を捻る形で秋乃は話しかけた。
「うん」
 いつも通りの無表情が、顔を上げる。
 秋乃は首をかしげつつ尋ねた。
「昇神先輩のタイプって、どんなのだと思う?」
「ん……」
 少し考えて、真。
「ノーマル、かな」
「うーん、まぁ確かにノーマルな人が好きなのかもねー。でも、そういう意味じゃ死之神先輩ってあんまりノーマルではなくない?」
「確かに。死之神円花さんはゴーストっぽい。そういう意味で昇神彗さんとの相性は最悪」
「ゴースト……? 死神だから? え、でもそれってどういうこと……?」
「井上秋乃さんは格闘タイプっぽいから、昇神彗さんへの相性はいいかも」
「うんそれポケモンの話だよね?」
「安心していい。たぶん井上秋乃さんならかみなりパンチくらいは使えると思うから、死之神円花さんにも攻撃できる」
「うわーい、全然論点が違うー。そんでそれ何の印象!?」
 そんな神無砂希学園一年六組。
 今日も今日とて平和だった。





お題SS更新:い 「一円玉で五十円ってのは酷じゃないか?」

「まいど~」
 関西弁のイントネーションと共に、カプタインが手を出す。
「合わせて、10500円な」
「……相変わらず、なんでそんなにバカ高いんだ」
 これがラーメン三杯の値段である。
 彗(ラーメン一杯)は、財布片手に頬をひくつかせていた。
 一緒に来た円花(ラーメン二杯)は、先に店を出て待っている。
「んじゃ、750円でええよ」
「ほんで相変わらずなんでいきなり値段が十分の一以下になったりするんだよ」
 余談ではあるが、彗はそれなりの回数このラーメン屋を訪れている。
 が、一度も定価で支払いをしたことはなかった。
 毎度、こんな風にカプタインが値段を下げたり、あるいはタダにしたりしているからだ。
「やっぱり、ぶっちゃけ普段の値段がぼったくりなのか?」
「うんにゃ? ウチのラーメンは、一杯原価3400円くらいらしいからねー」
「実は結構妥当な値段だったの!? いったい何にそんなに金がかかってるんだよ!」
 ちなみに、ラーメンの味は可もなく不可もなくである。
「さぁ? 細かい内訳は店長に聞いてもらわんと」
「その店長を、俺は一回も見たことがないんだが……」
 彗が知る限り、店内にいるのはほとんど常にカプタイン一人である(客を合わせても)。
「つーか、だったら値段下げていいのか?」
「うん。前も言うたけど、ぶっちゃけワイは儲けとか結構どうでもいいからねー」
「こっちも前言ったけど、それ勝手にバイトが判断していいことじゃなくね?」
「まぁまぁ」
「いやまぁ、俺は別にいいんだけどさ……んじゃあはい、800円」
 財布から100円玉3枚と500円玉を取り出し、カプタインに手渡す。
「あいよー。お釣り、50円」
 そして、代わりに50枚の硬貨が手渡された。
「……………………」
 彗は、渡された小銭をじっと見た。
 何かの見間違いかと思ったのだ。
 しかし、何度見てもその事実に変わりはない。
 重量1gの純アルミニウム、1円玉硬貨である。
 しばらくして、彗はゆっくりとカプタインに視線を戻す。
「いくらなんでも、一円玉で五十円ってのは酷じゃないか?」
「チッチッチ、甘いですーやん」
 いつもの馴れ馴れしい笑みを少しだけ得意げに、カプタインは指を振る。
「1円玉っちゅーんはね、実は製造に2円くらいのコストがかかってるんよ?」
「だから?」
 ほぼ無表情で彗が返す。
「つまり、その1円玉50枚は実質100円分の価値! やったねすーやん、お得やで! あぁ、えぇてえぇて。すーやんは常連さんやし? サービスやから」
「うん、製造に2円かかってたとしても1円玉として生れ落ちた時点で1円分の価値しか持たないから。そんで仮に本当にこれが100円分の価値だとしてもいらないから。普通に50円玉でくれ」
 至極冷静に返した彗に、カプタインは「あちゃー」と額に手を当てる。
「残念、50円玉は切らしとるんやねー」
「じゃあ10円玉でもいいから」
「10円玉は今、全部タバスコに浸してるから無理かなー」
「なんのために!?」
「やっぱ、綺麗なお金をお客様にお返ししたいやん?」
「そんな気遣いするくらいならもっと別のところを気遣えよ!」
「サクラエビもつけるし」
「だからサービスの方向性間違ってるって!」
「オオバウチワエビの方がえぇ?」
「エビの種類の問題じゃねぇよ!?」
「おっしゃ、そこまで言うならしゃーない! クルマエビにしよ!」
「1円玉を引っ込めるだけでいいんだよ! なんでそっちを採算度外視にしてるんだよ!」


 小一時間後。
「あ、彗さん」
 店から出てきた彗を、円花が迎えた。
「もう、遅かったじゃ……あれ?」
 少し拗ねた調子だった円花の顔が、ふと彗の手元を見て疑問に変わる。
「どうしたんですか、それ?」
 彗は籠を手にしていた。
 その中では、数匹の大きなエビ……イセエビが、ビチビチと跳ねている。
 ちなみに彗のポケットは不自然なまでにゴツゴツと膨らんでいたが、エビに気をとられた円花はそこにまでは気付かなかった。
「……どんな風にして食べたい?」
 円花の疑問には答えず、逆に彗が尋ね返す。
「んー、そうですね」
 先ほどの疑問などすっかり忘れたように、円花はすぐ顎に指を当て考え込む。
「やっぱり活きがいいみたいですし、お造りですかねー。でも、あえてそこで炭火焼とか鍋というのも……これだけいるなら、グラタンっていうのも贅沢でいいですよねー」
 夕食に思いを馳せているのか、ヨダレを垂らさんばかりの表情でうっとりとする円花。
 その傍ら。
「……お得はお得、超お得だ。しかし、とても負けた気になるのはなぜだろう」
 そんな風に呟きながら、彗は夕日を眩しそうに見上げるのだった。







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