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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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灼熱の小早川さん

どうも、はむばねです。
風邪は、悪化こそしてないものの継続中。
というか、推移中?
熱は昨日よりマシな(気がする)感じで、鼻は昨日より酷くなった感じ。
喉もちょっと痛くなってきたか……?
なるほど、今回は上から来る感じか……(大体、一気に症状が発生するわけではなく上か下から順番に症状が移っていく)。
これが喉まで来るとフィーバータイムで全症状が一気に押し寄せてくる可能性が高いので、ここで押しとどめられるかどうかが肝ですね……。

というわけで、感想です。
最近この入り方多いな!

なお今回は、結構ネタバレあるので注意です。

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
田中 ロミオ
小学館 (2011-09-17)
売り上げランキング: 196,087


あらすじは、amazonより抜粋
>人間関係も勉強もそつなくこなし、万事如才ない高校生となった飯嶋直幸。
>県下でもトップレベルの進学校に入学した彼は、なに不自由ない学園生活を手にした。
>そんな雰囲気に突然水を差したのは、クラス代表となった小早川千尋。
>代表に立候補し、履行の邪魔なので副代表は不要と言いはなった眼鏡女子だ。
>常にテンション高め、ガチガチの規律でクラスを混乱に陥れる彼女のその手に、直幸は炎の剣を幻視する。
>そして彼女の心の闇を知るのだが―。
>田中ロミオ最新作は、ヒロイン観察系ラブコメ。

うお-、面白いなー。
まぁぶっちゃけ、私が田中ロミオ先生の作品を読むのは今一度のCROSS†CHANNELを求めているからでして。
その点で、以前に『人類は衰退しました』を読んだ時は正直ちょっとコレジャナイ感があったんですよね。
良くも悪くも、穏やかすぎるといいますか(あの作品、2巻以降で雰囲気変わったりするんですか?)。
私はあの、笑いと闇と涙が入り混じったCROSS†CHANNELに触れた時の感動をもう一度味わいたいんだ。

そういう意味で、本作もまたCROSS†CHANNELとは大きく趣が異なる作品ではあります。
太一やラバほど頭がおかしい(色んな意味で)キャラもいませんし。
世界が周回するわけでも、誰かが死ぬわけでも、主人公の過去に深い闇があるわけでもありません。
あるのは日常と、理不尽と、小器用だったはずの主人公の葛藤。
たぶんこれ、ストーリーをあらすじで書き出すとすっげぇ平凡な面白くない話になると思うんですよね。
乱暴にまとめると、「クラス委員ですがクラスメイトが言うことを聞いてくれません」というだけの話ですし。
それも別段不良ばっかだとか個性的すぎるメンツとかじゃなく、作中でも言われている通り「普通」の「個々に話せば悪い奴じゃない」連中が、そういう「空気」だから乱れているという。
全然、現実でもあり得る状況です。
というか、実際あるんじゃないかな。
現実ですらどこにでもありそうな、きっとありふれたお話。
でも、それが面白いんだからやっぱ田中ロミオ先生はすげーわ。

その面白さの主要因は、やはりタイトルにも冠している小早川さんでしょう。
メガネのクールビューティーで、正義感をこじらせた人。
「正しい」ことを成すために、躊躇も遠慮も空気を読むこともない「炎の剣」の持ち主です。
最初はマジで、「なんやこの人……」という感じ。
しかし徐々に最初の印象通りだけの人だけではないと判明してきて、様々な側面も見せ始めます。
そして、直幸くんに心を開いてくるにつれて見せる別の顔が可愛い。
なんか最初はめっちゃ警戒してた猫が徐々に懐いてくるのを彷彿とさせます。

んで、主人公の直幸くん。
こちらも、めっちゃいい味出してます。
常識人で、人当たりが良くて、空気が読める世渡り上手な器用な人。
全て計算ではありますが、高校生離れしたコミュ力してます。
ちょっとおよろしくない趣味をお持ちではありますが、そこも含めて「普通」の少年ですね。
なので最初は、完全に小早川さんとは別種の存在だったのですけれど。
小早川さんと……というより教室の「外」と接することで価値観が揺らいでいって。
クラス運営でも恋でも、色々あって。
小早川さんに対する、ある種の「負い目」もあって。
とかとかが入り混じった終盤の、直幸くんがぶっ壊れてからのドライブ感が凄い。
ここはCROSS†CHANNELっぽくもあって凄く好きでした(あまりこういう評し方はよろしくないのでしょうけれど)。

ちなみに超絶今更ですが(そして先ほどもざっくりと書きましたが)、ストーリーとしては「それぞれ押し付けられるような形でクラス委員(めっちゃ忙しい)になった直幸くんと小早川さんが、クラスメイトが全然協力してくれない中大体二人だけで頑張る」感じのお話です。
ハッキリ言って、結構ストレス展開です。
クラスメイトにイラッとします。
でも「個別に話すといい奴」らなのは確かで、それが一線踏みとどまらせているという直幸くんの気持ちも凄く理解出来る感じで上手い。
そしてそれでもゴリゴリSAN値を削られていく感じもまたよくわかって、最後の展開に繋がるのも十二分に納得出来る。

ほんで最後は……うーん、これは結構賛否両論なのではなかろうか。
ちょっと唐突感があったのとカタルシスが薄かったのは事実かなー。
でもエピローグは凄くほっこり出来たので、個人的には満足です。
しかし、特殊設定無しの学園モノってめっさ久々に読んだ気がするな……。
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