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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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なんちゃってダイジェスト~お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか2~

 この街は、魔光少女を名乗る一人の女の子によって守られている。
 ……はず、だった。




――新たなに現れた魔光少女。




「魔光少女フェアリィ☆ライト!」
 彼女こそが、数日前に生じた大きな変化……新たに現れた魔法少女なのだった。
 そして。
「うぉぉぉぉぉ! ライトぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「マホマホもライトも、頑張ってぇ!」
「ライト、今日も美人!」
 今やその人気はマホマホと二分……あるいは、マホマホを越える程までになっていた。




――その名は、魔光少女フェアリィ☆ライト。




「初めまして、街田好乃と申します」




――時を同じくして転校してきた、街田好乃さん。




「庄川さん? 街田さんがどうかしましたか?」
「ふぇっ!?」
 もう一度呼びかけると、庄川さんはビクッと身体を震わせた後でこちらに向き直った。
「あ、うん、そうだね! 美味しいよね、おはぎ!」
 一体何の話をしているんだろう……おはぎのことを考えてボーっとしてたのかな?
「御機嫌よう。庄川さん、平地くん」
 と、庄川さんに意識を逸らしていたところで横合いから不意に話しかけられ僕はビクッと身体を震わせてしまう。まして、話しかけてきたのが件の街田さんだから尚更だ。
「あ、えと、はい、御機嫌ようございます」
 ご機嫌ようございますって何だよ僕……でも、「ご機嫌よう」に対する返しの正解って何なんだろう……今までリアルでそんなこと言う人に会ったことなんてないしな……。
「あら平地くん、睫毛が目に入りそうですよ? 少し、動かないでくださいね?」
 なんて言いながら僕の頬に手を添えて、顔を寄せてくる街田さん……って、近っ!? ちょっと近すぎません!? もう鼻の先とか触れ合っちゃいそうな距離ですよ!?



「いいの。私だって、お話したいと思ってから」
 一目見た時から、気付いていたから。
「それは良かったです」
 そう、だって彼女は……彼女も。
「まほろば☆マホマホさん」
 魔光少女なんだから。




――両者が、同一人物であり。




「んー……?」
 暗くてよく見えないな……驚かせないよう、下の方に傾けながらスマホの画面を付けて……と。あっ、奥に何かいる。猫……猫? あれ、なんか猫にしてはデカくない……? ほとんど人と同じくらい………………ていうか……人そのもの、っていうか……。
 ガッツリ、そこにいた『人』と目が合って。
 その男子生徒……クラスメイトの平地護常くんは。
「にゃ……にゃーん……」
 気まずげに、やたら上手い猫の鳴き真似を披露してくれた。




――そして、"完璧美少女"然とした彼女の一面が作られたものであると。



「……とりあえず、一応確認しときたいんだけどさ」
 ひたすらに気まずい沈黙を破って、街田さんが口を開いた。
「どっからどこまで、見た?」
「……恐らく、街田さんが思い描いている最初から最後までかと」
 彼女が入って来る前からずっと壁の中にいた僕は、固い声でそう答える。
「そっかー。ま、そうだよねー」




――知ってしまったのは、果たして偶然なのか運命なのか。




「本当に、すみませんでした!」
 だから、僕は深く深く頭を下げた。
「別にそこまで深刻なわけじゃないから大丈夫だって。一応、回避方法もあるし」
「回避方法あるんですか!?」
「うわっ!? ビックリした!?」




――正体を知られてしまった彼女がペナルティを回避する方法は……。




「正体がバレてから二週間、異性から恋心を寄せられなければいいってだけだから」
「無理ゲー過ぎる!?」




――こうして、"自覚なき美少女"街田好乃さんをフォローする日々が始まった。




「貴女は滅茶苦茶美人であり、ちょっと現実ではありえないレベルのモテ方をしていらっしゃいます! まずはそれを自覚してください!」
 そして、ハッキリとそう言い放った。
「ははっ、またまた~。からかおうったってそうはいかないよ?」
 なのに、伝わってる気が全くしない……!
 どれだけ強固にその価値観刷り込まれてるんですか……!?
「わかりました……街田さんのモテ度については、一旦置いておきましょう」
 仕方なく、方針を変えることにした。
「ですが、これだけはご理解ください。男子というのは、本当に些細なことで異性を好きになってしまうものなんです。男子に対する笑顔やボディタッチは大変危険なのです」
「えー? そんなことで好きになったりするぅ?」
「なります! ここは、男子たる僕の意見を信じてください!」
「でもその理論でいくと、キミも私のこと好きになってないとおかしくない?」
「僕は人類に恋するような資格を有していないので大丈夫なんです!」
「お、おぅ……今私、何を暴露されたの……?」



「まず、他田くんのすぐ隣に座ろうとしましたよね? これでワンナウトです。触れ合いそうなレベルの近さなど、男子にとっては惚れちゃうゾーンに他なりません」
「えー? そんなんで惚れたりは……」
「惚れます」
 淡々と、しかし力強く言い切る。
「次に……素敵、という言葉。これでツーアウトです。これは、男子にとって『こいつ俺に気があるんじゃ……?』と思ってしまうNGワードです。そして、男子とは自分に好意を向けてくれる女子を好きになってしまう生き物です」
「そんなんで……」
「惚れます」



「私も、いただいてもよろしいですか?」
 その目は、僕のお弁当箱に向けられていた。
「えっと……はい、どうぞ」
 一瞬どうすべきか迷ったものの、断る理由もないかと了承を返す。
「では、失礼して」
 そう断って、僕のお弁当箱に手を伸ばす街田さん………………って、なんで僕の箸使ってるんです!? 僕の今の行動の意図、全く伝わってなかったですか!?




――更には、庄川さんの様子もどこかおかしく……?




「っと……すみません庄川さん、急に失礼しました」
 ハードルにぶつかったりしないよう、慎重に庄川さんを降ろしていく。
「う、ううん、そんな! 助かったし……その……嬉しかった、よ……!」
 少し赤くなった顔を俯けて、庄川さんはそんな言葉を口にする……けど、嬉しかった……? あぁそうか、今のがステッキを隠すための行動だったってわかってくれたのか。こういう時、ご本人公認のお助けキャラになれたのは大き……って、のわ!? まだステッキがちょっと頭を出してる!? 他田くんの目に触れる前にどうにか……!
「……お二人、仲がよろしいのですね」
 と思っていたら、スッと身体を寄せてきた街田さんがさりげなくステッキを押し込んでくれた。



「あ、あの、平地くんっ!」
 って、次は庄川さんですか……!? 何なんですかこの波状攻撃……!?
「わ、私も! その! 平地くん!」
 んんっ……? やけに真剣な表情だな。顔も真っ赤で……というかこれ、先日の観覧車の時と似てる……? いかな庄川さんといえどこんなところで魔光少女に関することを口にしたりはしない……と信じたいけど、一応止めた方がいいか……?
「しゅ、しゅ、しゅ! しゅ、ぎ!? あいたっ!?」



「えっと、実は私も卵焼きの練習しててね……平地くんに、食べてほしいな……って」
 なるほど……今の件で僕を卵焼きの第一人者と見込んでくれたわけですか。光栄です。
「もちろん、構いませんよ」
 頷いて、自席にお箸を忘れた時用に常備してる割り箸を取りに行こうとしたところ。
「は、はい……あーん……」
 ……庄川さん、貴女もですか。




――二人のフォローに追われる中、庄川さんの妹・真琴さんとも知り合って。



「お姉ちゃんのクラスメイトさんでしたかっ! お姉ちゃんがいつもお世話になってます! 私は、庄川真琴と申します! 荒高の一年生ですので、皆さんの後輩ですね!」
 さて、自己紹介も終えたところで……早速、切り込んでみるか。
「ところでお二人は今日、たまたま会った感じですかぁ?」
「いえ、僕が街田さんをお誘いした形ですね」
 あ、ごめんお姉ちゃんこれたぶん負け戦だわ。


「あと、お姉ちゃんと作戦会議もしときたいと思って」
「作戦会議……?」
 お姉ちゃんは、何のことだか全くわかってない表情。
「お姉ちゃんさ、平地センパイのことが好きなんだよね?」
「ふぇっ!?」
 念のため確認すると、驚きの声が上がった。まさか、バレてないと思ってたの……?
「えと、あの……うん」
 だけど、顔を赤くしながらもお姉ちゃんは小声でそう言ってコクンと頷いた。
「諦める気、ないんだよね?」
「も、もちろんだよ!」


「すみません、お待たせしてしまいましたぁ!」
 これ以上二人きりにさせるのは危険と判断し、大声で呼びかけながら二人のテーブルに近づいていく。これは、早々に作戦を開始せねば……!
「ところで平地センパイ、明日合コンどうですかっ?」
「急に何ですか!?」



――プールに、合コン。



「命令に変更無しです! 3番が5番にデコピンで!」
「あら、3番は私ですね」
 悪ノリが飛び交う中、変わらぬ外面モードで上品な笑みと共に手を挙げる好乃さん。
 しまった、『当たり』を引いちゃったか……出来れば、好乃さんと庄川さんにはあまり動かず大人しくしてて欲しいんだけど……。
「ちな、5番は俺ッス」
 次いで手を挙げたのは外間くんだ。
 よりにもよって、相手は初対面の男子か……これは、不測の事態に備えないと……!



「はいはーい! じゃあ、私もやってみまぁす!」
 すかさず手を挙げて、茎ごとチェリーを口に放り込む。
 ふふっ……こんな時のために、ちゃんと練習済みよ……!
「ふぁい、ろうれすか?」
 すぐに口の中で結び終えた手応えがあり、舌を出す。
「お、すげぇな真琴。完璧じゃん」
 すかさず、外間っちが称賛の声を送ってきた。
「やっぱ、キスも上手いのかな~?」
 次いでからかう調子で言ってきたのは、余語っちだ。
「ふふっ……試してみるぅ?」


「あれあれぇ? 空橋センパイは街田さんにご興味がおありですかぁ? でも、出来れば私にも興味持っていただけると嬉しいなぁって思っちゃったり!」
 真琴ちゃんにガッチリとロックされてて、イマイチ動きづらいんだよなぁ……。
「いや、たまたま見てただけだよ」
「本当ですかぁ? じゃあじゃあ、この後二人で抜け出しちゃいません?」
「今、どう『じゃあ』で繋がったの……?」



――なぜかリア充御用達のイベントに参加したりする中で、少しずつ変わっていく人間模様。



「……へぇ、そうなんですか」
 あれ……? 街田さんの笑顔が、ちょっと冷たいものになったような……?
「手作りのシルバーアクセをプレゼントされるような関係だと」
「え? う、うん……そうだけど……」


「どうもこうも、そのままだよ? ツネちゃんも、知ってるんだなって思ってさ」
 今までの行動から考えて、間違いないよね。
「マホマホの正体が、庄川さんだって」


「相談ってのは、街田さんのことだね?」
「うん……流石里崎さん、なんでもお見通しだね」
 まぁ実際のとこ、こんなのはアタシじゃなくて誰だって想像がつくことだ。
 そう……チョーウンさんも、街田好乃という存在が現れたことを喜んでいるんだと!


「それに、街田さんのこともあるし。タイミング的にはちょうどいいだろ」
 んんっ……? なぜ好乃さんがこの話に関係してくるんだ……?
 ……はっ、そうか! 好乃さん自身が言っていた通り、庄川さんは男性を勘違いさせない行動を学ぶのに適した存在……だけど、うっかりがあるから全てを見習っちゃうとマズいことになってしまう。フィルタリングが必要なわけで……庄川さんの家で彼女のことをよく観察し、僕にその役目を果たせってことか!




――各々の意図がすれ違いつつも、なぜか噛み合って。



「欲しいね、可愛い赤ちゃん」



「しっ! 静かに!」
「今、真帆がプロポーズを受けたところなんだ!」



「……嗚呼。私、知ってたのか。バカのフリして、気付いてないことにしてただけで」




――その末に、どこに向かうのか。




「……終わらせよっか」




――これは、やっぱり彼ら彼女らの。




「私は、皆を助ける魔光少女だから。私自身に助けなんて、必要ないの。一つもね」



「それは……そう、なんだけど……同じ魔光少女として助け合えたらと思って……」



――笑いと青春と。



「僕は、貴女を助けに向かいたい」


「私ね……キミに、聞いて欲しいことがあるんだ」


「平地くん、信じてるからね……!」



――愛の、物語。



「……ふっ、ビールでも飲むか」
 彼氏同伴では、こんな行動も取れまい。一人だからこそプールを思うがままに満喫出来るのだ。やはり、レジャーは一人に限る。



――……なんじゃないですかね、きっと。



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