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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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異世界誕生 2006

どうも、はむばねです。
安心してください、頑張った方の記事ですよ。

はい、というわけでね。
伊藤ヒロ先生感想祭り最新版。
先週出た新作の感想ですよっと。
これで、伊藤ヒロ先生感想祭りは今度こそ一旦打ち止めになると思います。

ズバリは書いていないつもりですが、ラストまでの言及がありますので一応ご注意を。


異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)
伊藤 ヒロ
講談社
売り上げランキング: 20,718


あらすじはAmazonより抜粋。
>2006年、春。
>小学六年の嶋田チカは、前年トラックにはねられて死んだ兄・タカシの分まで夕飯を用意する母のフミエにうんざりしていた。
>たいていのことは我慢できたチカだが、最近始まった母の趣味には心底困っている。
>フミエはPCをたどたどしく操作し、タカシの遺したプロットを元に小説を書いていた。
>タカシが異世界に転生し、現世での知識を武器に魔王に立ち向かうファンタジー小説だ。
>執筆をやめさせたいチカは、兄をはねた元運転手の片山に相談する。
>しかし片山はフミエの小説に魅了され、チカにある提案をする―。
>どことなく空虚な時代、しかし、熱い時代。
>混沌を極めるネットの海に、愛が、罪が、想いが寄り集まって、“異世界”が産声を上げる。

基本的に買うと決めた作品については試し読みはおろかあらすじすらも読まず新鮮な気持ちで読み始めたい派の私も、本作についてはずっと伊藤ヒロ先生の宣伝を見てたので大体の内容は把握していたわけなのですけれど。
それを踏まえると、初っ端からすげぇ心に来るな……。
お母さんからの手紙の内容自体はいわゆる異世界転生系を意識した感じなのですけれど、この人の境遇を考えるとね……笑えねぇですよね……。

ただ、それだけにめっちゃ引き込まれる導入でもあります。
えぇ……? これ、どこにどう着地させるの……? というのがすげぇ気になるんですよね。
しかし、この登場人物全員の精神状態がキツい感じはホント読んでてキツいというか。
息子を失ったショックを引きずる母親、そんな母親に嫌気が差している父親、そんな両親の状況に理解を示しつつも辟易とする妹、そしてそんな状況を作り出してしまったことへの罪悪感もあって慰謝料を払い続ける事故の加害者。
キツい。
リアルにキツい。
全員の気持ちがわかるだけに余計キツいんですよね。
しかし、だからこそこの人たちがどうなるのか気になって読み進めてしまうという。
これは悪魔的バランス。
全員悪意があるわけではない、ってのも大きいですね。
キツいけども、読んでてイライラはしないんですよ。
この辺りのさじ加減も、流石に上手い。

そして、フミエさん(お母さん)の狂気……徐々にタカシくんが本当に『異世界』に行っていると思い込み始めるとこもリアルといいますか。
そういうことがあってもおかしくないな、と思わさせられる現実感と凄みを感じます。
そんな母に対してチカちゃん(妹)が抱く感情や神経を逆なでしないような対応も、まぁその状況ならそうするしかないよなって感じで。
なんというか、この物語自体が物語という体で綴られたノンフィクションというメタ構造なのでは……? という気さえしてきます。

あとメタといえば、作中でいわゆる現在のなろう系(厳密な定義ではなくあんま詳しくない人が想像するやつ)について語るところがあるんですけども。
思いっきりディスられてて草w
まぁ実際、2006年時点ではこんなに一ジャンルが流行るとは思ってませんでしたよね。
個人的には、今言われてるほどに「あの頃ファンタジーはダメって言われてた」かっつーと若干の疑問ではあるのですが。
少なくとも魔王さんちを書いた頃は、当時の2ch系SSで勇者魔王ものが全盛期だった印象ですし(その辺りに影響されて書いたところもあるので)。
まぁでもそれがたぶん2008年とかのはずなので、2006年っつーとファンタジー復権のちょうど直前くらいだったのか……?
何気にその頃はライトノベルあんま読んでなかった谷間の時期なので、イマイチ当時の感覚がわからんな……。
ただ私もその時期にファンタジーものを書いてなかったのは事実なので、そういうことなのかもしれぬ(ファンタジーはダメって言われたことはないけど、基本的に流行に影響されやすいタイプなので)。

と、だいぶ話が逸れてしまいましたが。
フミエさんの精神状態がダイレクトに小説に反映されるのもまた、ちょっと微笑ましくも狂気を感じてヤバい。
まぁでも、そういうタイプの作家さんもいるよね……という感じではありますが(世間で思われてるよりはずっとずっと少ない印象ですけれど)。
とりあえず、熱膨張ネタを引っ張るのはやめていただきたい……w
フミエさんが真剣なのはわかるけど、どうしても笑うてまいそうに……とか思ってたら、「さす兄」でもうダメだったwww
ていうか、どっちも他社作品だろwww伊藤ヒロ先生作品にこの手のツッコミを入れるのは今更感があるけどもwww
基本的には綺麗な伊藤ヒロ先生なのに、こういうとこで汚い方の伊藤ヒロ先生(褒め言葉)がちょいちょい顔を出してくるな……w

それはともかく。
この物語、(恐らく多くの)創作者にとっては酷くノスタルジックな気分になって別の意味でもちょっと辛い……。
初めて感想もらった時はクッソ浮かれますよね……ワイも16の夏、初めて小説をネットに公開して感想もらった時はしばらくウッキウキやったわ……。
あの頃の純真なワイは、もうここにはいない……。
……いや、言うほど当時も純真やったか……?

と、またも大幅に話が逸れてしまいましたが。
小説への感想をきっかけにちょっとだけ前向きに話が進んでいくのかと思いきや、常に不穏な空気は付きまとい。
ついにそれが爆発するところは、辛い。
フミエさんもそうだけど、何よりチカちゃんの気持ちを考えると辛すぎて辛い。
でもこの子だけは割とずっと一貫しているというか、前向きとは言えないかもしれないけれども立ち止まることを良しとはしていない感じがするんですよね。
そんな彼女の言葉だからこそ、フミエさんも再び歩き出せて。
なんだかんだずっと彼女が動いていたからこそ、状況も進展したのだろうと思います。

そうして、ずっと向こうに行ってしまっていた人が『異世界』から『帰って』きて。
失ったものは戻らないし、過去は変わらないけど、確かに未来へと進み始められたことが感じられ。
ラストシーン含め、前向きな気持ちになれる爽やかな終わり方でございました。

……とか思ってあとがき読んでたら、ファッ!?
えっ、これ2巻出るの? ネタじゃなくてマジに?
伊藤ヒロ先生のことだからこの流れですらネタでもおかしくない気がしてしまうけど、(ほぼ)綺麗な伊藤ヒロ先生だしたぶんマジなんだろうな……。
果たして2巻では誰の物語がどう描かれるのか、非常に楽しみです。

という感じで、総じて。
とある事故によって『異世界』に囚われた人が、再び『帰って』来るまでの物語。
リアルだからこそ重く辛いシーンが多いのですがグイグイ引き込まれ、次々明かされる真実に驚かされ、最後は笑顔で読み終われる。(ほぼ)綺麗な伊藤ヒロ先生作品でございました。
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