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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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なんちゃってダイジェスト~世話好きで可愛いJK3姉妹だったら、おうちで甘えてもいいですか?~


──人見春輝、27歳。
──突発の残業によって予定が潰され、ヤケ酒に走った夜のことであった。


「貴方が神ですか?」


──そんな風に、声をかけられたのは、


「あの……お兄さんが、神……ですか……?」


「やっほー、そこの一人で寂しそうなオニーサン。キミが神なのかな?」


──それも、三人の少女から別々に。


「あのさ、小桜さん」
 春輝は、告げなければならなかった。
「俺、神じゃないんだけど」
 過去二回と、同じ内容を。
 俺、神じゃないんだけど。こんな言葉を口にする日が来るとは思ってもみなかった。


──そのうち一人は、会社の女子高生バイトで。


「実は私たち、神待ちで……」


「お姉ー。神、こっちにはいなかったよー」
「イオ姉、こっちもダメだった……」


──『神待ち』していた、3姉妹を。


「構わねぇ、三人まとめて泊まってけ!」
「い、いいんですか……?」
「おー! オニーサン、太っ腹だねー!」
「あ、ありがとう……」


──拾った。


「なんだったら小桜さんも、もっとラフに呼んでくれてもいいぜ?」
「えと、じゃ、じゃあ………………春輝さん、とか……」
 冗談めかして肩をすくめてみせると、伊織が消え入るような小声でそう口にして。
「……えっ?」
「えっ?」
 まさか本当に呼び方を変えてくるとは思っていなかった春輝が呆けた声を上げると、伊織も似たような調子の声を返してきた。
「あっあっ……」
 街灯に照らされる伊織の顔が、たちまち真っ赤に染まっていく。
「す、すみません、なんでもないです人見さん!」
「あ、いや、ちょっと驚いただけだから。呼びたいように呼んでくれていいよ、マジで。ただ、会社ではこれまで通り『人見さん』で頼むな?」
「は、はいっ! ひと、いえ、は、春輝さんっ!」
「ははっ……」
 やけに力強く名前を呼ばれて、春輝はなんだか少し照れくさくなって頬を掻いた。
「……はいはーい、二人でラブい空気出してないで早く家ん中入っちゃおうよ」
 と、二人の間にズイッと露華が割り込んでくる。
「そんな、ラブい空気だなんて……私と春輝さんは、そんなんじゃ……!」
「お姉、今そこ掘り下げなくていいから」


「お願いします! 私のことは好きにしていただいて構いませんので、妹たちには手を出さないでください! どうかどうか!」
「いや、ちょ……」
「っ……いや春輝クン、ここはウチにしときなって! お姉より絶対いいよ!」
「二人共、待……」
 両側から、グイグイと二人の色んなところが春輝の身体に当たってきた。
「おっぱいは、私の方が大きいので!」
「ウチの引き締まった身体を味わいたいっしょ!?」
「だから、俺の話を聞いて……」
 二人とも必死な様子で、春輝の声は届いていないようだ。
「あれ、露華……? もしかして今、私のことデブって言った……?」
「は? お姉こそ、ウチのこと貧乳って言ったっしょ?」
「別に私、そんなこと言ってないし……」
「ウチだって言ってないし……」


「……お兄さん。ロカ姉と、何かあったの?」
「い、いや、別に……?」
 実際『無かった』とは断定しづらく、返答は若干しどろもどろなものに。
「そ、そんなことより! 朝飯、ありがとうな!」
 無理矢理に話を打ち切り、食卓に着く。
「……おぉ」
 そこでようやくテーブルの上に目を向けて、感嘆の声を上げた。
「凄いな、本格的だ」



──そして、社畜の生活は一変する。


「それに、いざとなれば私が……」
 けれど、伊織の表情にまた少し変化が生じて。
「そんじゃ、とりあえず行く当てが出来るまではウチにいれば?」
 それを感じ取った瞬間、気が付けば春輝はそう口にしていた。
 アニメの主人公みたいに、なんて考えることすらなかった。
「で、でも、私たち、何も返せるものもありませんし……」
「そこは、ほら、あれだ。代わりに、家事はやってもらうから」
 言い訳がましく、条件を付け加える。
「大体、一人であの家をキープするのも結構大変なんだ。家って、人が住んでないと老朽化が早いって言うだろ? 使ってない部屋でも、時々空気を入れ替えてやらないとカビ生えちゃうしさ。だから、住んでくれる人がいる方がありがたいんだよぶっちゃけ」
 早口気味で捲し立てた言葉も、必ずしも嘘ではないけれど。
「……だからな」
 言おうかどうか迷った末、少し間を置いて春輝は再び口を開いた。
「もうするなよ、昨日みたいなこと」


──勢いで始めてしまった部分が大きい、『同棲』。


「おはようございまーす」
「おはようございますっ!」
 それぞれ挨拶の言葉と共に、オフィスに入った春輝と伊織。
「おはようございます、先輩、小桜さん」
 たまたま入り口の近くにいた貫奈が、挨拶を返してくる。
「……お二人、揃って出社ですか?」
 その眼鏡が、キランと光った……ような、気がした。
「あぁ、たまたまそこで会ってな」
 何気ない調子で、春輝が返す。
「……気のせいでしょうか? 幾分、お二人の距離感というか空気感が昨日までと異なるというか……どこか、気安くなったような……?」


「……春輝クンってさ」
 そんな中、今度は露華が春輝にジト目を向けてくる。
「もしかして、白亜くらいの子が好みなの?」
「何を急に言い出すんだ」
 突然の風評被害に、春輝は抗議の視線を返した。
「や、なんか二人で見つめ合ってたからさぁ」
「ロカ姉、それは誤解。訂正を要求する。わたしは、お兄さんにガンつけてただけ」
「俺、ガンつけられてたのか……」


「ですので……」
 迷うように一度ずつ左右に視線を彷徨わせた後、何やら伊織は決意したような表情に。
「どうぞ!」
 そして、その場に正座して春輝に向けて両手を広げた。
「……はい?」
 意味がわからず、春輝は先程より大きく首を捻る。
「膝枕です!」
「………………はい??」


──最初は、動揺や戸惑いが多くて。


「じゃ、じゃあ、この部屋を見ても引いたりしない……のか……?」
「? 引くというと、何にでしょう?」
 恐る恐る尋ねてみると、伊織が不思議そうに首を傾けた。
「ウチらは、ほら、白亜が割とガチ気味だから」
「わたし、ガチ勢」
 何やら察した表情の露華に頭を撫でられ、白亜はなぜか誇らしげに胸を張っている。
「でも、ロカ姉も凄い。わたしのコスプレ衣装を作ってくれる」
「へぇ、そうなんだ?」


「お兄さん、あと、その……」
 そこから一転、モジモジと何やら言いづらそうに俯いてしまう。
「どうした? 遠慮せずに、何でも言ってくれていいぞ?」
「なら……」
 春輝が促すと、少し赤くなった顔を上げた。
「お兄さんのこと……ハル兄、って呼んでもいい?」
「ん? 初日にも言った通り、好きに呼んでくれて構わないさ」
 正直少し拍子抜けした気分で、春輝は軽く頷く。
「おぉ……」
「白亜が、懐いた……」
「……二人共、失礼。わたしは、同志に敬意を表しただけ」


「……春輝クンらしからぬカッコつけ」
「ぐむ……」
 自分のキャラと合わぬことをしている自覚はあったので、呻くしかなかった。
(やっぱ、痛い行動だったか……まぁ、そんな気はしてたけど……プレゼントとか頭を撫でるとか、モブキャラな俺がやってもキモいだけだもんな……)
 春輝が内心で反省する傍ら。
「……だけど」
 紙袋を開けて、露華がその中身を取り出す。出てきたのは、トップに花の意匠がデザインされたネックレスだ。軽く俯いた状態でそれを自身の首に付けて、露華は顔を上げた。
「ありがと、嬉しいよ」


──けれど決して、それだけじゃなくて。


「あの、春輝さん……もしかして、露華と何かありました?」
「聞かないでやってくれ……」
 おずおずと尋ねてくる伊織へと、苦笑と共にそう返す。
「……何か、えっちな気配を感じる」
 ビクッ!?
 ボソリと呟かれた露華の言葉に、露華と春輝が露骨に反応してしまった。
「むぐむぐむぐ……! ごちそうさま! 美味しかったよ、お姉!」
 残っていたおかずとご飯を高速で掻き込んで飲み込むと、露華は慌ただしく椅子を立ってキッチンを出ていく。結局、春輝とは一度も視線を合わせずじまいであった。
 その背中を一同見送って、しばらく。
「……春輝さん?」
 伊織が、春輝の方に顔を向けてくる。
「露華と、えっちなことをしていたんですか?」


「いや小桜さん、それ以上は……」
「むっ!」
 しかし伊織にグッと睨まれ、思わず手を止めてしまった。
「違うでひょ、春輝ひゃん!」
「あー……伊織、それ以上はやめとこう? な?」
「むふふ、それでいいのれふぅ」


「は、春輝キュンも、おは、おはにゃ、その、おは的なアレ……」
 もにょもにょと呟きながら、真っ赤に染まった顔を逸らす。
 伊織とは対照的に、どうやら露華は昨晩のことを引きずりまくっているらしい。
「うふふ、露華ったら。あんまり春輝さんのことを避けるような真似しちゃだめよ?」
 昨晩とは打って変わって、聖母のような笑みで伊織が露華を嗜めた。
「べ、別に避けてにゃーし!」
 それに対して、露華が赤い顔のままでにゃーと吠える。
「……何、この空気」
 そこに現れた白亜が、入ってくるなりいつかと同じ言葉を口にした。
 春輝としても、全くの同感であった。



──徐々に。


「露華? それってもしかして、私がふくよか担当だって言ってるのかな?」
 ゴゴゴゴ……と、笑顔の伊織から威圧感が放たれた。
「いや、まぁ、ははっ」
「せめて否定してくれる!?」
 愛想笑いを浮かべる露華に、伊織が吠える。
(毎日の飯がこんな賑やかになるだなんて、ついこないだまで思ってもみなかったな)
 ワイワイと騒がしい光景に、ふと春輝はそんなことを思った。
「……ハル兄、どうかした? なんか遠い目してる」
「あぁ、いや。毎日の飯がこんな賑やかになるだなんて、ついこないだまで思ってもみなかったなぁ……とか、考えててさ」


「おかえりなさい、春輝さん。今日は遅かったですね」
「あぁ、ちょっと仕事が立て込んでさ」
「あの……また差し出がましいことを言うようですが、春輝さんはちょっと気軽に作業を引き受けすぎなのではないでしょうか? 周りの皆さんもそれに慣れてしまっているので、春輝さんに負荷が集中してしまっていると思うんですけど」
「そうは言ってもなぁ……なんつーか、断るのもめんどいし……」
「……では、向こうの方から察してもらうというのはどうでしょう? 皆さんも別に春輝さんを忙しくさせたくて作業を依頼しているわけではないでしょうし、例えば──」


「お姉は、ウチらの前じゃ『お姉』になっちゃうからねぇ」
 と、露華は苦笑を浮かべた。
「ある意味、会社ってお姉にとってありのままの自分でいられるとこなのかも」
 それを、いつものイタズラっぽいものに変える。
「春輝クンもいるし、ね?」
「俺は関係ないだろ……」
 意味がわからずそう答えると、今度は露華の表情が呆れ気味のものとなった。
「春輝クンさ、鈍いって言われない?」
「不本意ながら、言われることは多いな。自分ではむしろ鋭い方だと思うんだけど……レビューでの指摘とかエラー解決とか、チーム内じゃ俺が一番多いしさ」
「ここでそんなこと言っちゃうとこが、まさに鈍さを端的に表してんだよねぇ……」
 再び露華の顔に浮かぶ苦笑。
「つーかこれ、何の話?」
「さて、何の話だろね? そこも含めて、宿題ってことで。女心の、ね」


──灰色だった社畜生活が、彩られていって。


「……実際、ハル兄は女心をもっと学ぶべき」
 と、黙って二人のやり取りを見ていた白亜がポツリと呟く。
「確かに今のはロカ姉の自爆だけど、ハル兄も古傷を抉るような真似は感心しない」
「う……すみません……」
 ド正論に対して、春輝としては謝罪するしかなかった。
「……よろしい。大人の女性であるこのわたしが、ハル兄に女心の何たるかを教える」
 得意げな表情で、白亜がその薄い胸を張る。
「お願いします、先生」


「春輝クン、なんかさ。だんだん、ウチの扱いが雑になっていってない?」
「なんか……露華ちゃんは、もういっかなって」
「つまり、ウチは春輝クンにとっての特別ってことだね!」
「意外とめげないってこともわかってきたしな」
 グッと親指を立ててくる露華に、適当に頷いておく。
「春輝クン争奪レースは、ウチが暫定トップって感じ?」


「君は、あれだ」
 ゆっくりと、頭を撫でながら。
「もっと、誰かを頼っていい。君だって誰かに甘えていいんだ。例えば……俺とか、な」
 そう言うと、伊織は軽く目を見開いた。
「……ありがとうございます」
 未だ強張っていた身体から、徐々に力が抜けていく。
(……前から言おうと思ってたこと、ようやく言えたな)
 それも、思ったよりスムーズに。先日のソファでの件といい、以前の春輝ならば絶対に出来なかったことだ。彼女たちとの距離が縮まった証、と言えるのかもしれない。
「でも、私は今だって春輝さんのこと頼りにしてますよ。ずっと……出会った頃から」
 ぼんやり考え事をする春輝の顔を、どこか眩しそうに伊織が見上げてくる。
「ははっ、それは光栄だ」
「もう、本当なのに」
 冗談だと思って笑うと、伊織は頬を膨らませた。珍しい、子供っぽい仕草だ。
「本当に私は、春輝さんのこと……」


──確かに、距離は縮まっていって。



「あの、春輝さん」
「どうした?」
 春輝とこんな風に手を繋いで歩くことになるなんて、あの時の自分には想像も出来なかった。それどころか、つい一ヶ月前の自分に言ったところで信じないだろう。
「ありがとうございます」
「え……? 何が……?」
 伊織の礼に、春輝はキョトンとした表情となった。
 確かに伊織自身、唐突だったとは思うけれど。
「全部、です」


──ゆえに。


「……三人共、何かあったのか?」


──決断を、迫られる。



「なんで……!」
 もっと早くに言ってくれなかった。そう言いかけて、ハッと口を押さえる。
(どの口でそんなこと言うつもりだよ……聞かなかったのは、俺の方だろ)


──これは、とある社畜と。


「春輝さん……」
「春輝クン……」
「ハル兄……」


──とある事情を抱えた、3姉妹の。


「俺は、この子たちの──」


──絆の、物語。


「私、処女なので!」
「………………は、はい?」
「ま、間違えました!」

「びっちょびちょの濡れ衣を着せられたのはこっちなんだが」
「やだ春輝クン……びちょびちょとか、いやらしい……」
「おっ、日本語が通じないタイプの女子高生かな?」

「完全にブラとパンツ透けて見えちゃってるけど!?」
「見せブラと見せパンということにしたから問題ない」
「見せブラ見せパンってそういう概念じゃなくない!?」


──たぶん。



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