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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇

どうも、はむばねです。
2014年感想企画が終わってからというもの、なんだか心が軽いぜ!
全く何者に強制されたわけでもないし誰に望まれているわけでもないのに、結構プレッシャーだったからな……。
体が軽い、こんな幸せな気持ちで更新するなんて(今年に入ってから)初めて!

まぁ、それはそれとして今日も感想記事なんですけどね。
ネタバレは微妙にアリかな?


始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇 (ダッシュエックス文庫)
王雀孫
集英社 (2014-12-19)
売り上げランキング: 81,115


amazonのオススメで、王雀孫の名前が見えた瞬間即ポチ余裕でした。
ファッ!? ていうかライトノベル書いてたんかい!?
これが初刊行か!
出たの去年末か、見逃してたわ!

と、大興奮でした。
ちなみに王雀孫先生は、何度も書いている通り私が最も好きなノベルゲー『それは舞い散る桜のように』のシナリオを書いた方です。

んで、差し当たり読み終わった感想としては。
よし、相変わらず頭おかしい(最高の褒め言葉
いいよいいよー、この登場人物全員がまるっと普通じゃない感じ。
そして、隙あらばボケをぶっ込んでこようとする感じ。
俺は一行ごとにボケないと死んでしまうんだ! 決して普通の表現や会話などしたくないんだ!という強い気概を感じます(実際そんな気概を持ってらっしゃるのかは知らねーですけど)。
主人公一人称視点なのですが、主人公がボケ寄りのツッコミ(あるいはボケもできるツッコミ、もしくは無自覚なボケ)であるため地の文からしてボケ満載。
無論、キャラ同士の会話など言わずもがなです。
言うてそれほどぶっ飛んだキャラがいるわけでもないのに、ここまでボケ倒せるのは流石の一言。
それも何かしら突飛な行動を取る系のボケではなく(そっち系もないではないけど)、ホントに「会話」で笑わせてくるのが凄い。
圧倒的インテリジェンスさを感じるこの言い回しの数々は、王雀孫先生のオンリーセンスと言えるのではなかろうか。
なんだろうな、「おかしい」というよりは「上手い」んですよね。
いや、おかしくもあるんだけども。
凄く、言い回しの妙が光る。
それも、所々で光るってレベルじゃなく随時ギラギラ光ってる。
終始クスクス笑えて、時折ブホッと吹き出すレベル。
これは周囲に人がいない時に読むことをオススメします。
ほんでそんだけ終始ボケ倒してるので、突然入るシリアス(っぽい空気)にも物凄いメリハリが出るんですよね。
半々くらいの確率で、実はシリアスっぽいボケでしたってパターンがあるのも効いてる。

と、コメ要素ばかりについて言及しましたが、きっちりラブ要素もあるラブコメです。
つっても、1巻時点ではかなり薄めといいますか。
まだ、匂わせる程度ですけどね。
でも、凄くニヨニヨできる。
最早懐かしさする感じるレベルの、お手本的ラブコメと言えるかもしれません。
まぁそれだけにぶっちゃけその部分に目新しさは特にないのですが、それだけに王道的展開が好きな私にはクリティカルヒットですよ。
ヒロイン全員可愛い。
でも個人的には今の所、幼なじみの白井さんが一歩リード可愛い。
流され系猫かぶり可愛い。
別に望んでそうなっているわけではないとはいえ、主人公の前でだけ以前のキャラ(というか素の自分)を出してくれるところがいいですね。
幼なじみゆえの距離感(そして昔は男っぽい性格だったこと)で、(割と典型的童貞高校生である)主人公としてもほぼ唯一着やすく話せるという貴重な女性枠。
1巻であんまり出番ないのが非常に残念です。


……という感じで、個人的には非常に楽しめたのですが。
正直、多分に補正がかかっているであろうことは否定できない。
客観的に評価した場合……それでも上記の点は、間違いなくプラス要素として挙げられるでしょう。
ただストーリーが……うーん……これは、どうなんだろう。
道中で伏線も貼られてるし、「そういうことなのかな」って予想も立てられて、実際その予想通りの展開にはなったのですけれど。
結局ネタバレされても、「あ、それでいいんだ。……ホントに? それで全部?」っていう感じでなんか凄くモヤモヤする。
というか、まぁ(非常今更ながら)ざっくりストーリーを説明すると「よくわかんない女性に絡まれた主人公が『喜劇部』というよくわからない団体に巻き込まれてよくわからない活動に参加していく」という感じになると思うのですけれど。
いや、めっちゃふわっとしてますけど、実際こんな感じなんですよね。
ヒロイン(たぶん)のキャラもネタで言ってんのかマジで言ってんのかよくわかんないし、喜劇部の活動もネタで言ってんのかマジで言ってんのかよくわかんない。
この点だけは、正直あらゆる部分ボケをぶっ込んでくるという特性がちょっと裏目ってる気がしなくもない。
それでなくとも、喜劇部のバックボーンがほぼ明かされないまま話が展開していくので、ちょいちょい語られる「目的」とやらが本当の事なのか、主人公を騙すために言ってんのかの判別がイマイチ付かない。
主人公と同じレベルで、読者もずっと混乱するんですよね。
新しい情報が出てきても、真偽が定かじゃないせいで全然話が展開している気がしない。
ずっと、「何かよくわからない事に巻き込まれている」という情報が更新されないんですよ。
まぁ結果途中で語られた情報は(ある部分できっちり線引すれば)大体真実だったわけなので、私が穿って見過ぎただけなのかもしれませんが。
しかし個人的には、ラストの種明かしでカタルシスを得たというよりは、「あ、そうなんですね……」という感じが強かった。
あ、でもマチコ先輩の正体とか周りの反応については、素直に「なるほどな」って思いましたけれど。

あとこれは好みになりますが(私は別に嫌いではなかった)、なんというか凄く「ギャルゲーっぽい」構成になってる印象です。
「あ、今はこの人のパートに入ってるんだな」っていうのが結構はっきりしてる。
いや、それすらももしかしたら長期的な伏線なのかもしれませんが。


全体通して、「なんかすげぇプロローグっぽい話だったな」というのが1巻の感想です。
ラストも、「実はこういうことだったんだよ! 完!」という感じでは全くなくて、「色々と言ったけど、実はこういうことだったんだ。さぁ、ここから始めよう」って印象。
たぶん、こっちはホントに意図的だろうとは思いますけれど。
実際、1巻ではキャラ紹介と前提が明かされただけで何も為されてはいないわけですし。
先述のギャルゲーっぽさもあって、1巻終了と共にすげぇオープニングムービーが流れ出しそうな雰囲気。
正直、1巻単体で見ればストーリーに関する評価は微妙にならざるをえない。

逆に言うと、(上記前提が正しければ)2巻以降本格始動ということで凄く楽しみなんですけどね。
1巻でモヤモヤした「わけのわからなさ」も、たぶん1巻ラストで解消したんだろうし。
……いや、よく考えると結構解消してないような気もするな……。
ま、まぁともかく!
ちょうど今月2巻発売ということで、即ポチ余裕でした!
色々書きましたし、オススメ出来るかというと悩みますが、個人的に凄く好きな作品です!
ただぶっちゃけ、買うにしても2巻以降が出てから買った方がいいかもね!
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