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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

2019-12

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正義の味方の味方の味方

どうも、はむばねです。
一時期のアホほど寒かった時に比べれば随分マシになりましたが、まだまだ寒い日が続きますね。
私は相変わらず、温まるためにお風呂に入ってるはずが気が付くと湯と共に冷めて出る頃には普通に寒くなってます。
全ての小説は、ちょうど半分くらいのところでキリのいい展開になってほしいものですね。

そんなこんなで、湯冷めしながら読んだ小説の感想です。
今回は、結構ネタバレありなので注意かな。

正義の味方の味方の味方 (電撃文庫)
哀川譲
アスキー・メディアワークス (2013-01-10)
売り上げランキング: 733,161


10年前の『善悪戦争』により、正義が悪を葬りさった現代。
「怪人」橙也と「総帥」凛奈だけで構成される悪の秘密結社、ゼロウ・ファミリー。
そんな二人だけの秘密結社を畳み、凛奈が言い出したのは「正義の味方養成機関」白陽花学園に通うということだった。
正義の味方に倒される悪の秘密結社は、正義の味方の味方。
そして、味方するためには相手の事を知る必要があるというのが凛奈の主張だった。
悪の秘密結社なのにやたらお人好しな総帥と、そんな「正義の味方の味方」に味方する怪人のちょっとおかしなスクールライフ。

という感じのお話なんですが。
読み終わってググって初めて知ったんですが、あの『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』の作者さんだったんですね……。
どの、なのかはリンク先を確認いただくとして。
まんまの名前で電撃からまた出すとか、なかなかすげーな……。
まぁ別に私自身は例の騒動ん時も「ほーん」って感じだったので、ぶっちゃけどうでもいいのですけれど。

閑話休題。
例の作者さんとは気付きませんでしたが、タイトルに惹かれて購入した作品です。
何を表しているのかは、上記の通りです。
それ自体は割と早々に明かされるのですが、「味方」という言葉がテーマの一つになっている作品なのかもしれません。
自分の行動理由として「正義」を振りかざす正義の味方に対して、「味方した相手は、振りかざすのではなく護るモノ」という凛奈ちゃんのセリフには、なるほどと思いました。
ていうかこの人、明らかに正義の味方より正義なんだよなぁ……。
じーさん(先代総帥)もそうだったらしいけど、悪の秘密結社とは何なのか……。
……というのは、マジで伏線っぽい感じがしますね。
旧式魔導と新式魔導の違いも、結局明かされませんでしたし。
ちなみに旧式魔導は、橙也くんとかが使う自力で演算して使う魔導。
新式魔導は、演算をアイテムで自動補助することで誰でも使えるようにした魔導、らしいです。
けど露骨に旧式魔導の方が強力すぎるので、何らかの秘密がある模様。

ちなみに、橙也くんは怪人であることを隠すために常時力を封印している状態なのですが。
そのままでも、ほぼ作中最強クラスです。
封印を解いたら、正義側の一線級を文字通りワンパン出来るレベル。
まぁ、10年前の善悪戦争をガチで戦ってたわけだし多少はね。
……つーか、こんだけ強かったのになぜ正義側に負けたのか……。
正義側にも化物クラスがウヨウヨいたのか、何気に橙也くんが怪人側でもトップクラスの実力者だったのか。
当時のことでも「護れなかった」って言ってるし、後者なのかな?

ただ、いずれにせよ、俺TUEEEEEEEEEEE感はあんまりないですね。
言うて、封印状態だとそこまで無双なわけでもないですし。
目立てない関係上、好きに暴れられるわけでもないですし。
つーか、むしろ結構な主人公不遇作品だと思います。
やむなしで犯した規律違反について、漏れ無く罰則食らってるからな……。
更に、時には濡れ衣もる模様。
正義の味方の味方の味方だけどその味方があんまりいないので、割とすぐ責められる立場になりますし……。
ギャグ描写ではあるのですが、この辺りは個人的にちょっと「うーん……」という感じではありました。

しかし、橙也くんと凛奈ちゃんの距離感というか信頼感というか絆は心地よい感じです。
なんというか、大げさではないけれど、当たり前に一緒にいるという感じ。
護るために強くあろうとする主人公というのはまぁまぁいますが、護られるために弱くあろうとするヒロインというのはちょっと新しいのではないでしょうか。
どっちかっつーと、護られなくてもいいように強くなろうとするもんですからね。
けどそれこそが、今まで何も護れなかった橙也くんにとっての救いとなっている、と。
弱くあり続けられることの強さ、というのがいいですね。

今日日逆に珍しい気すらする、護り護られる主人公とヒロインな作品でした。
思ったよか全然悪の秘密結社感はなかったですが、それはそれで良かったと思います。
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