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第30回ファンタジア大賞 "金賞"受賞作『お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか』
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2018-07

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AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~

どうも、はむばねです。
あっつい\(^o^)/
いやー、昨日は暑かったですねー。
若干クーラー付けようかと迷ったレベル。
完全に夏の空気でしたね。

かと思えば一転、今日の福岡は雨が降っていたこともありちょっと肌寒いくrやっぱあっつい\(^o^)/
いやいやいや。
朝方はホントちょっと寒いくらいかなって感じだったのですが、日中はちょっと動いただけで汗だくですよ。
それでも、昨日よりはだいぶ涼しいですが。
まさしく、ザ・季節の変わり目って感じの寒暖の差ですね。
皆様、体調を崩されないようお気をつけ下さい。
まぁ、ついこないだ体調を崩されていたお前が言うなという話ではありますが。
あ、今はもう割と元気です。

そんなこんなで、感想です。
今回、展開的なネタバレが結構あるのでご注意を。

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)
田中 ロミオ
小学館
売り上げランキング: 71,051


あらすじはamazonより抜粋。
>その日。
>教科書を忘れた俺は、夜半に忍び込んだ学校で彼女と出会った。
>教室に向かう階段の踊り場。
>冷たい月の光のスポットライトを浴び、闇を見据えている少女。
>美しい―。
>そこには、人を惹き付けるオーラを放つ青の魔女がいた。
>…いや待て、冗談じゃない。
>妄想はやめた。
>俺は高校デビューに成功したんだ!
>そのはずだったのに、この妄想女はッ!
>「情報体の干渉は、プロテクトを持たない現象界人には防ぐことはできない」
>「何いってんだかわかんねーよ」
>実はだいたい理解できていた。
>田中ロミオ、学園ラブコメに挑む。


面白かった……。
先日書いた通り、私は田中ロミオ先生にCROSS†CHANNELを求めてその作品を追っていたわけだけども。
なるほど確かに、本作もCROSS†CHANNELとはまた趣が異なる。
しかし、もう田中ロミオ先生にCROSS†CHANNELの面影を追うのも辞めよう、と思うくらいに面白かったです。

系統的には、灼熱の小早川さんとかなり似てます(本作の方が先に書かれているのでこの表現も微妙ですけれど)。
現代の高校を舞台に、独自の世界を持ちすぎているがゆえに浮いちゃってる女の子とそれをフォローする主人公の図、とかね。
しかし灼熱の小早川さんがかなりリアルに寄っているのに対して、本作はぶっちぎりでファンタジー寄りです。

ファンタジーといっても、別段魔法や特殊能力なんかが出てくるわけではありません。
そういった点で言えば、幻視(?)とはいえ灼熱の剣なんか出てきた小早川さんの方がよっぽどファンタジーしてたとすら言える。
私が本作をファンタジーと評する理由は、一点。
出てくるキャラクターたちにあります。
有り体に言うと、中二病キャラ。
こう書くと、「またか」「今更?」と思われるかもしれません。
そう、ある意味「また」で「今更」ではあります。
昨今、中二病患者が出てくるライトノベルなんて世にあふれてます。
一時期なんて、一作品に一人中二病患者、くらいの勢いだったとすら言えましょう。

しかし、本作の中二病患者は質・量共に桁が違います。
なにせ、クラスの半数近くが中二病……というか、戦士症候群を患ってます。
ただ言動がちょっとイタいとかじゃなく、全身余すことなくイタいです。
自前の衣装に身を包み、自分設定を喚き散らす痛々しさ。
普通の作品なら一人いりゃあ「この作品濃いな……」となるような第一線を張れる奴らが、実に総勢14人も登場します(流石に全員にスポットは当たらない……というか、たぶん出てきてない人もいるけど)。

そして何より恐ろしいのは、そんな彼ら彼女らですら雑魚に過ぎないという点ですね。
彼らですらも接触を避けたがるモノホンのやべぇ奴、それが自称リサーチャーこと本作のヒロイン、佐藤良子ちゃん。
通称、レディス佐藤です(主人公も佐藤(一郎)なので、区別のためメンズ・レディスと呼ばれる)。
主人公たるメンズ佐藤も(あるいは読者でさえも)「コイツ、もしかして本物なのか……?」と思ってしまうくらいのモノホンっぷりです。

レディス佐藤を中心に、そんな彼女ら彼らとのやり取りがまずバカバカしくて痛々しくてイラついて笑えます。
メンズ佐藤のツッコミも滅茶苦茶冴えてる。
この辺りは、流石の田中ロミオ節といったところでしょう。
けどそんなイタい奴らがわっちゃわっちゃやってるだけのバカ話かというと、決してそんなことはなくてですね。
キャラクターはファンタジックですが、舞台はどこまでもリアルなのです。
クラスの中でこそ数が多い彼らではありますが、一般的には異質な存在なわけです。
当然、クラスの中の「まとも」な連中との間には軋轢が生じるわけです。
本作の本質は、その辺りなのです。

メンズ佐藤は中学時代に戦士症候群を(結構な重度で)患っており、爆死して、虐められて、家族に迷惑をかけて、努力して「普通」に成った少年です。
だからこそ、戦士たちに対する思いは複雑なものがあるわけですね。
なんだかんだ、彼がある意味クラスの中心というか渦中の人物となっていくわけなんですけども。
結局、戦士たちの気持ちもわかってしまうというか。
でも、「普通」側に明らかな理があることは明白で。
基本的には「普通」側に立っている(立ちたい)んだけども、見捨てきれないというか。
それでもそれでも、戦士たちはもうどうしようもなく戦士なわけで。
別に戦士だった過去があるわけでもないですが、なんかその辺りの葛藤は凄く共感出来ました。
「どうしてもっと素直に助けたいって思わせてくれないんだよ!」という叫びが全てを表していた感があります。
何気ないセリフっちゃセリフなんですけども、個人的に一番心に響いた。

ほんでこのメンズ佐藤が滅茶苦茶格好いいのが本作の魅力を更に引き上げてるんですよね。
別に強いわけでもないし、いい感じのセリフがあるわけでもないし、揺るぎない意思を持ってるわけでもない。
むしろ流されがちで、怖いもんは怖くて、人より自分優先で、基本的には小物なんですよね。
でも、そんな彼だからこそいざって時に、ネガティブ感情満載ながらも、動けるから格好いいんですよ。
山本に向かっていくシーンとかは、普通に格好良かったですしね。
クライマックスシーンに至っては、その情景を想像するとホントにクッソダサくておかしくて笑えるはずなんですけども。
というか実際笑えもするんですけども、でもむっちゃくちゃ格好いいんですよ。
もはやタイトルからしてこの展開になることはネタバレされるようなもんなのですが、それでも感動してしまうほど格好よかった。

そして、そこから繋がるラスト。
もしかすると、賛否両論あるかもしれない。
なるほど確かに因果応報的に考えれば、報いを受けるべきキャラものうのうとしている。
けどだからどうした、そんなものはクソくらえだ。
と思えるくらいに、バカバカしい。
ホント、バカバカしいラスト。
笑えるくらいバカバカしい。
けど、だからこそ凄くいい。
ていうか笑える。
笑った。
めっちゃ笑った。
もう、こんくらいバカバカしいと何もかもどうでもよくなる。
あまりに楽しすぎるラスト、楽しければそれでいいじゃん、で全てが塗り潰される。
なんか、一周回って感動的なラストなんじゃないかとすら思えてきた。
そんな中で、皆が「向こう側」に行ってる中で、ダントツ「向こう側」だったレディス佐藤こと良子ちゃんがちょっとだけ「こっち側」に来たというのも凄いいい。
ヤバ可愛い。



……えーまぁそんなこんなで、だいぶ感情的になった結果わけわからん記事になってしまいましたけども。
それくらい面白かった、ということで。
途中まででも一級品でしたが、ラストで超一級の評価へと更に上がりました。
割とストレス展開も多いのですが、そんなもんはどうでもいいんだよ! と吹き飛ばしてくれる程のパワーを持った作品だったと思います。
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