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2018-07

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表裏反転ぐるてんてるぐ(第三章 表裏反転ぐるてんてるぐ)

どうも、はむばねです。
ヒャッハー、久々の小説感想だー!

はい、というわけでね。
本日は、神近先生がなろうに投稿されている作品の感想第三弾。
そして、今回でラストですね。
まぁまぁ前に完結してたんですが、ようやく読めたぜ……。
前回に引き続き、かなりネタバレ入ってるのでご注意を。
なお、前回の感想はこちら


表裏反転ぐるてんてるぐ

えー、まず最初に謝罪と注意事項なのですが。
すみませんが、今回の感想に理性的な内容は期待しないでください。
ちょっとこれは、そういうので語れる作品ではありませんでした。
わかっていたつもりでしたが、まだわかってなかった。
2章までも相当なものでしたが、終章は更に輪をかけてヤバかったです。

と、いうのを踏まえた上で。

クwwwwソwwwww
ダメだwwwwやっぱ初っ端から笑いのセンスにやられるwwww
>「と、そろそろ行かないとな。腹が減ったらなんでも好きに食べていいから」
>「パソコンも食べていい?」
>「食べ物以外は食べてはダメだ」
>「食べ物とそうでない物はどうやって判断すればいい? 定義を教えてほしい」
この発想、やはり天才の所業……常人に思いつく類のものではない……。

> これが異世界モノだったら「自然生そんなロリコンなんかに構うなよ」とクラスのイケメンから不必要に敵視されているところだった。
> 現代モノでよかった。
とか、異世界モノをなんだと思っているのか。
しかし、めっちゃわかる。
その場面が鮮明に想像出来る。
「わかる~!w」以外に表現のしようがない。

とかとか。
本当は一つ一つのネタ全部にツッコミ入れたいところですが、キリがないので各論について触れるのは程々にしときましょう。

んで、今回は割と早めに事件が起こるわけですが。
相も変わらず、事件発生が無茶苦茶唐突だな……。
ともすれば支離滅裂になりかねない突飛さを、すげぇ綺麗な形で物語にまとめ上げる豪腕っぷりも相変わらず。
前回も似たようなこと書いたけど、ヒョウリが消えるシーンとか普通にホラーの文脈ですよね。
その後の展開も、マジでホラー。
しかし、思い出すのはMOTHERシリーズ(と思ってたら、実際その後に言及されてた)。
ホラーな雰囲気で、狂気を宿しながらも、なのにコミカルなのです。
そのコミカルさが更に狂気を引き立たている感があり、そしてその狂気が更なるコミカルさを引き立てる。
なんだこれは、無限ループか。無限月詠か。我々は幻の中にいるのか。

世界を見失うような、独特な感覚がこれまで以上に凄まじいです。
「この作者は頭がおかしいのかな?」と思う作品は(至極希少ではあるけども)いくつか覚えがあるのですが、「今これを読んでる自分はもしかして頭がおかしくなってるのかな?」と思わされる作品は神近先生の作品しかないように思います。
なんつーか、作風と文体が絶妙にマッチしてないと言いますか。
物凄い綺麗な文章なので一見まともな気がするのに、しかし描かれているのは狂気の世界なんですよ。
すげぇ、どうやって生きてきたらこんな作品が産み出されるんだ。
普通物語の雰囲気は文体に引っ張られるし、文体は物語の雰囲気に引っ張られるというのに。
このアンバランスさこそが、神近先生の作品の最大の特徴なのかもしれない。
………………。
スマン、適当こいた。
実際には、この感覚は言語化不可能である。

つーかね。
第3話の、江口くんがわけわからんことを言い出すシーン。
記号とか使ってわけわからん感を出すのは、まぁよくある手法ではあるのですよ。
でもね、なんかこの言葉選びというか記号選びというかが、ホントに狂気に満ちている感に溢れてるんですよ。
私がやっても、絶対こうはならない。
こないだお会いした神近先生ご本人が(そうだろうとは思ってたけど)ものっそい常識的な方だっただけに、余計に恐怖を感じる。
人は、正気を保ったままここまでの狂気を描けるものなのか……(一応補足しときますけど、褒め言葉です)。
>「よう「「「でそ÷こ」す?」
とか、ヤバない?
なんか、絶妙に意味がありそうでわけがわからない感じ。

そっからの、狂気の加速っぷりもヤバい。
もうね、繰り返しになりますが、ホント綺麗で、わかりやすい文章なんですよ。
そしてだからこそ、その場面が鮮明に頭の中に描かれるんですよ。
ほんで、その情景が完全に狂ってるんですよ。
脳内を蹂躙されてる気分ですよね。

しかし、にも関わらず、笑いどころが随所に用意されている。
> あの長谷倉隼が、女子の胸部に触れて何も感じないなんてことがこれまでに一度でもあったか。
> 一度たりともない。
> はっきり言って、異常事態だ。
とか、不意打ちすぎるw
しかし、そして、完全にギャグなのに、その異常性・深刻さもちゃんと伝わってくるんですよね。
ぶっちゃけ分量的にはそこまでの積み重ねがあるわけでもないはずなのに、長谷倉準という主人公に対する(ある意味の)信頼感がいつの間にか植え付けられている。
いつの間にか、勝手にキャラの印象が自分の中に出来上がっている。
そこまで象徴的なエピソードがあったわけでもないのに。
読者として、いつキャラが立ったのかわからないレベルでいつの間にかキャラが立っている。
これは、かなり理想的なキャラ立てなのでは?

閑話休題。
ちょっと、ホントもう、馬鹿みたいな言葉ばっか続けてしまって恐縮なんですけども。
終章のドライブ感ヤバい。
1章・2章の比じゃないくらいヤバい。
2章でも、完全に頭おかしくなるかと思ったのに。
この章は、普通に頭おかしくなる。
1章での両目を覆ったヒョウリのくだりが伏線だったとかもヤバい。
物凄いヤバみを感じる。
ヤバすぎて言語野が幼児退化を起こすレベル。
そして、からの、
>【WELCOME TO UNDERGROUND】
と来たもんだ。
完全にコピペのアレですよね。
パロディですよね。
にも関わらず、ものっそいしっくり来るんだ。
笑えると同時に、しっくり来るんだ。
まぁぶっちゃけだいぶ前の段階で「そういうことなんだろうな」という予想はしてるんですけども、これ以上ない程の種明かしシーン。
これが、
>「ここは、裏世界だ」
だけだと絶対こうはならなかった。
このパロディまで含めたカオス感が全開に出た後だからこその、すっきり感といいますか。
わかってて尚、「な、なんだってー!?」と言いたくなってしまうような雰囲気が形作られてたと思います。

んでねー、5話くらいになってきますとですねー。
長谷倉くんたちもこの世界にこなれて来た感を見せ始めるんですが、これが見事に読者の心情とシンクロしてるんですよね。
こっちとしても、いい加減この世界にも慣れ始めてきたよと。
更なるカオスっぷりを加速させてきてはいるんですが、完全に麻痺って「あ、そっすか」としか思わなくなってくるんですよね。
うん? カーチェイスしてる片方の車に乗ってるのがマングースで?
ほう? もう片方がししゃも(調理済み)?
なるほど、そっすかー。
って。
これ、仮に1章でやられてたら絶対「なんでだよwwwww」って全力でツッコミ入れてたと思うし、一つ前の話でやられててもツッコミ入れざるをえなかったと思う。
けど、ここでやられたら「そっすかー」としかならない。
そして、長谷倉くんたちも「そっすかー」としかなってない。
たぶん計算されてるんだろうけど、凄い。
完全に掌の上で踊らされてる感がある。

ちょっと、感想の方もとっちらかってきて読んでる方も何言ってるかわかんねーと思うんですけども。
実際、本作を読んでる時の心境ってそんな感じなんですよ。
完全に、心がカオスに浸食されてくる。
あれだけわけわかんなかったヒョウリの言動についても、こんな世界で培われたのなら「確かにー」ってなるしかない。
そしてそう思った時、我々の精神は既に裏世界に囚われている。

それはともかく、6話に差し掛かりますと。
若干、世界に正気が戻ったように感じるのですね。
凄い、常識が仕事してる! って思いましたもの。
そしてそう思った後に、物凄い勢いで「常識」のハードルが下がっていることに気付くのです。
> なんだその語尾。新手のプリパラか?
とかも、ここに至っては「そうか、新手のプリパラか」としか思わなくなってるからね。
他の作品だったらこれ、作中一番のツッコミ所レベルの展開の連続だからね。

とはいえ、それまでのカオスに比べれば幾分まともな世界(当社比)に一旦なりまして。
そこからの展開は、まぁ王道っちゃ王道なんですよ。
冷静に振り返って、ストーリーラインだけを追えば間違いなく王道なんです。
囚われた女の子を迎えに行く男の子、って構図なわけですからね。
でも、読んでると全く王道に思えないといいますか。
何か、物凄く斬新なものを読んでいる気分になるのです。
いやこれ実際、この雰囲気は斬新で独特だと思いますよ。
(たぶん)シリアスな場面で(たぶん)真面目にやってるはずなのに、ものっそいふざけて見えるんですよね。
いや実際、この期に及んでもの凄い頻度でボケがぶっ込まれてもいるんですけども。

にも関わらず。
なのに。
なんだこれ。
なんだこの感動。
>「お前は今まで、ずっとこの世界にいたんだよな」
>「ううん、ぼくも今来たところ」
>「そういうセリフ言うやつは大概長時間前から待ってんだ」
>「天誅が下るね」
なんだこれ。
なんだこの感動。
こんなやりとりにさえ感動してしまう。
クッソわけわからんのに、このクッソわけわからん中でもギリギリわけわかりそうな気がしなくもない感じのヒョウリがクッソ懐かしくて感動するのですよ。
あぁ、戻ってきたんだなって。

そして、そしての最終話。
まずは、長谷倉くんと同じ気持ちで「誰だよ!?」とツッコミを入れつつのね。
そうきたかー、という感じ。
からの、したら、そうなるよねーという感じ。
いや、なんつーんですかね。
なんと名付ければいいんですかね、この感情。
かつて味わったことのない読後感に、ちょっと当てはめるべき単語が見当たりません。
あえて言うならば、「なんだか知らんがとにかくよし!」。
もうね、ホントにね。
締めの直前まで、とっ散らかりまくってるんですよ。
なんだったら、締めの段階に至って尚とっ散らかってるんですよ。
なのに、なんか綺麗にまとまってる感があるんですよね。
大団円、としか言えないエンドなんですよね。
これもう、卑怯ですよね。
なんだこの説得力。
なんだこの爽やかさ。
どこから出てくるものなのか、なぜ感じられるものなのか、全くわからない。
神近先生だから、としか言いようがない。
これが……これが、「作家性」というものだと言うのか……。
だとすれば、確かに私は作家性というものを未だ獲得していない……。


いやー、にしてもアレですよね。
長々書いたけど、全くこの作品の魅力を伝えられた気がしねーな!
やはり、この作品について言語化しようという試み自体が無謀……!
もうね、とにかく読め! としか言えないよね。
全3回に渡って毎度長々と書いといてそれかという結論ではありますが、はい、それです。
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