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受賞歴:
2004年、第1回スクウェア・エニックス小説大賞『入選』
2008年、第5回トクマ・ノベルズEdge新人賞『徳間デュアル文庫特別賞』
2017年、第11回HJ文庫大賞『銀賞』
2017年、ジャンプ小説新人賞’16 Winter 小説フリー部門『銀賞』
2017年、第30回ファンタジア大賞 『金賞』

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なんちゃってダイジェスト~異世界からJK転生した元妹が、超グイグイくる。 1~


 魂ノ井環は、異世界転生者である。
 前世での名は、メーデン・エクサ。
 天才死霊術師と呼ばれ、勇者パーティーの一角も担っていた才女であった。

「さては兄様、わたくしのことがわかっておいでではないのですね!? 未だ、前世の記憶が戻ってらっしゃなくて……!」
「いや、前世の記憶なら持ってるしお前のこともちゃんとわかってるぜ? 俺の一歳下の妹だった、メーデン・エクサの生まれ変わり……だろ?」
「滅茶苦茶正確にわかってらっしゃるわ!? 滅茶苦茶正確にわかってらっしゃるわ!? だったら、その淡白な反応はどういうことですの!?」
「どういうこと、っつっても……もうすぐ学校始まるし」
「学校!? 学校ですって!? 学校など! どうでもよくて! ここは! 輪廻の先で再び巡り合った兄妹の再会を喜ぶべき場面ですわよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「お、おぅ……生まれ変わっても相変わらず感情表現激しいな、お前……」




 天ヶ谷光は、異世界転生者である。
 前世での名は、エルビィ・フォーチュン。
 神に選ばれた身として『魔王』との戦いに挑んだ『勇者』であった。

「ちょ、いやいやいや……無視は酷くないか? 確かに君の兄至上主義は知ってるが、私だって仮にも仲間だったわけだろ?」
「………………」
「……ちょっと待て。まさかとは思うが、君……私のことが、わかっていない……とか、言わないよな……?」
「………………そんなことより兄様、今日の放課後ですが……」
「いやちょい待ぁち! スルーするな! 私だよ私! エルビィ・フォーチュン!」
「える……びぃ……?」
「うっそでしょ君、なんでそんな初めて聞いた単語みたいな反応なの!? 長い期間ではなかったとはいえ、一緒に旅した仲だろ!? 『勇者』! 『勇者』エルビィ・フォーチュンだよ! 今の名前は天ヶ谷光だけど!」
「……あー……お久しぶりですわね、エルビィさん」
「あ、あぁ、そうだな。だが、今は私のことはエルビィではなく光と……」
「ところで兄様、お昼はどうしていますの? よろしければわたくしがお弁当を……」
「ちょっと君、私に対する興味が薄すぎない!?」




 暗養寺黒は、異世界転生者である。
 前世での名は、エイティ・バオゥ。
 世界を支配するべく人類に喧嘩を売った、『魔王』であった。

「ところで、魔王。貴女それ、結構肩が凝るのではありませんこと?」
「む? まぁ、確かに凝っておるが……よぅわかるのぅ?」
「えぇ、まぁ、普通に憑いてますもの」
「つ、付いとる……? って、何がじゃ……? 普通にってことは、普通に付くものじゃよな……? じゃよな……?」
「そうですわね、普通に悪霊の類が」
「それ普通かえ!? わ、わわわ、妾をビビらそうと思うても無駄じゃぞ……?」
「はぁ? 別段、こんなことで魔王をビビらせられるだなんて思ってはおりませんわよ」
「お、おぅ……そうかえ……」
「というか貴女、何か怖いものとかあるんですの?」
「く、くふふっ、あるわけなかろう……? ほら、その、妾、魔王じゃぞ?」
「まぁ、ですわよね」
「魔王に怖いものなどあれば、私たちもあんなに苦労せずに済んだものな」
「ですわね。あぁそうそう、苦労といえばあの旅の途中で大雨に降られた時……」
「ちょ、ちょい待てい! 普通に雑談に戻ろうとするではないわ!」



──魂ノ井環、天ケ谷光、、暗養寺黒。
──それぞれ、前世では世界有数の力を有していた少女たちである。
──かつての生が終わりを迎え、転生し。
──地球という星の、日本という国に再び生まれ落ちた。

──そして。


「わたくしと兄様がラブラブであるという噂ででしょうか? だとすれば、事実なのですから気にする必要はないのでは?」


「な、なぁ庸一、ちょっと、いや嫌というわけでは決してなく、単純な疑問なんだが……少しだけ、距離が近くないかな……?」


「この妾を起こす役割なぞ、世界広しと言えど拝命出来るのはお主のみなのじゃからな。光栄に思うが良い、ヨーイチよ」


──恋に、落ちていた。

──そんな彼女たちの、想い人は。



 平野庸一は、異世界転生者である。
 前世での名は、エフ・エクサ。

「あの女ぎつ……もとい、あの二人とはどういうご関係なので?」
「二人? 光と黒のことか?」
「えぇ」
「どういう関係っていうか……うーん……友人? になるのかな、一応。ま、向こうがどう思ってるのかは知らんけど」
「……わたくしが見るに、あの二人が兄様に向ける感情は友情ではないと思いますが」
「あ、やっぱり? あいつらにとっちゃ、俺なんてその他大勢の一人だろうしなぁ……」



──平野庸一。
──自称『一般人』、である。
──前世では魔法は使えず、剣もそこそこにしかこなせないザ・平凡な冒険者であった。
──それは、紛うことなき事実。

──けれど。



「待てよ……? 『魔王コンビ』……? って、まさかアレか!? 三年くらい前に、名だたる不良グループを潰していったっていうあの!? そういえば、やたら偉そうなチビ女と平凡そうな男の二人組とか聞いたような……ただの都市伝説だと思っていたが……」
「貴女、急に解説キャラみたいなこと言い出しましたわね?」


──現世においては


「妾たち、盗んだバイクでヤクザの事務所に突っ込みまくっとったからの」
「お、おぅ……突っ込みまくっていたのか……」
「盗んだ……もとい、一時的にお借りしたバイクで突っ込んだのは一回だけだから……後は、ちゃんと自前のバイクだったから……」
「自前のバイクでは突っ込みまくっていたのか……」
「……うん」
「お、おぅ……」


──本当に、『一般人』なのか……?


「つーか、環も俺のスリーサイズとか知らんだろ」
「??」
「なんで、何言ってんのかわかんないってリアクションなんだよ……」
「兄様のことで知らない情報など、あって良いわけないでしょう?」
「さも当然のことのように言われても……そもそも、スリーサイズとか俺自身すら知らないんだが。測ったこともないのにどうやって知るっつーんだ」
「そんなもの、目視で十分測定可能ですわ」
「何その能力。ていうか、男のスリーサイズなんて知ってどうするわけ?」
「?? 兄様の等身大人形を作るのに正確なデータは必須でしょう?」
「なにその発想怖い」
「庶民の涙ぐましい努力じゃのう。ヨーイチの等身大人形など、暗養寺コンツェルンが密かに擁する工場の生産ラインにとっくに乗っておるというに」
「……冗談だよな?」
「個人の使用の範囲に留めるので、安心するが良い」
「微塵も安心出来る要素がないんだが」
「魔王、その人形を………………くっ! しかし、勇者たる者が魔王相手に物乞いのような真似など……! 今ほど、勇者たる身分を恨めしく思ったことはない……!」
「光も、もうちょっとマシな場面で勇者という立場に葛藤を覚えてくれる?」
「というか別段、生まれ変わってまで前世の役割に縛られることもないのではなくて?」
「それもそうだな! よし魔王、その等身大人形をくださいお願いします!」
「プライドの投げ捨てっぷりに躊躇がなさすぎる」


──とにもかくにも。


「……光って、ちょいちょいすげぇニヤける瞬間あるよな。思い出し笑いか何かか?」
「そ、そんなところだな! は、ははっ……!」
「兄様兄様! 光さんばかりではなくわたくしのことも構ってくださいまし!」
「おぉ、見よヨーイチ。でっかい蝶々が飛んどるぞ。春じゃのぅ」
「はいはい。環、勉強会が終わったらな。あと黒、あれたぶん蝶々じゃなくて蛾だぞ」


──これは。


「まぁまぁ、よく頑張ってたよ。光は理解度自体は高いから、教え甲斐あるしな」
「ふ、ははっ。そうだろうそうだろう」
「……兄様、わたくしも疲れました! ナデナデを所望致しますわ!」
「妾は、おんぶかのぅ」
「お前ら、お菓子食って駄弁ってただけじゃん……黒に至っては半分くらい寝てたし」


──転生者たちの、二度目の生における『戦い』の物語であり。


「前世では事実兄妹だったことですし、あながち間違いでもないのでは?」
「あながち間違いでもないからこそ厄介なんだよなぁ……」
 そう言いながらも、環のことを拒絶はしない。
 そんな庸一の優しさが、環の胸をたまらなく高鳴らせた。
「兄妹というのが事実でなくなったことこそが、わたくしにとって何よりの朗報ですわ」


「けど……」
 庸一は、どこか恥ずかしそうに頬を掻き。
「憧れ、があったんだろうなぁ」
 そんな言葉と共に、なぜか光の方へと目を向けてきた。
「『勇者』……エルビィ・フォーチュンへのさ」


「なら、俺は」
 なぜならば、黒にとって比べ物にならないほどに価値のあるものに。
「それを、止める」
 世界を壊すことよりもずっとずっと果たしたい『願い』に、出会ったから。
「俺が、止める」


──果たして、勝利の女神は誰に微笑むのか。


「解散! 解散ですわ! こんな女子力の低い空間にいられるものですか!」


「散々な物言いだな!? ついさっきまでの、ちょっと良い話っぽく終わりそうだった雰囲気はどこにいったというんだ!?」


「えーい、ツボのわからん笑いはやめい! それより、妾に憑いとるっちゅー悪霊について詳細を話さんか! なう! 今すぐ!」


──それは、誰にもわからない。



 そう……この時点では、まだ。



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